2006'04.19.Wed
いつもは何となく物寂しいその部屋も、今だけは違っていた。
いくら普通より大きいとは言え、流石にそこは一人部屋。子供が4人も集まっていれば自然と騒がしくなる。
時計の針は8時を指していた。
「――で、そこでサフィールが」
「話を切って悪いですが……ネフリー、そろそろ帰らないと」
「…そうだな。迎えがあるとは言え、流石に危険だ」
「……お兄ちゃんは、本当にお家に帰らないの…?」
「………あぁ。あの人達は僕を追い出せて清々してるだろうから」
「そんなこと……」
そのまま口篭ってしまった妹を尻目に立ち上がり、玄関まで送っていくよ、とだけ言って兄妹で部屋を出ていった。
「……なぁ、サフィール」
「なに?」
「ジェイドは、本当にカーティス家に……」
「カーティス家に入ればね、軍の研究所でレプリカの研究をさせてもらえるんだ。そうすればネビリム先生だって……!」
真剣な眼差しで訴えるその先が、人として踏み入れてはいけない場所にある事を知っていて、それでも進もうとするこの天才と呼ばれる幼馴染み達に、いやその考え方に嫌悪する。
「ピオニーは……ジェイドが出て行っちゃうの、嫌なの?」
ちょこちょこと区切りながらの掲載です。
専ら制作はバス待ち時間と乗ってる間ですね。自分車酔いする方なんで乗ってる間は殆ど進みませんが。
会話が多いです。何ででしょう……。
そして偽者度が高いです…。
特にサフィール、口調をジェイドと区別しようとしておかしくなるんですが……何故に。
まだまだ?続きます。
いくら普通より大きいとは言え、流石にそこは一人部屋。子供が4人も集まっていれば自然と騒がしくなる。
時計の針は8時を指していた。
「――で、そこでサフィールが」
「話を切って悪いですが……ネフリー、そろそろ帰らないと」
「…そうだな。迎えがあるとは言え、流石に危険だ」
「……お兄ちゃんは、本当にお家に帰らないの…?」
「………あぁ。あの人達は僕を追い出せて清々してるだろうから」
「そんなこと……」
そのまま口篭ってしまった妹を尻目に立ち上がり、玄関まで送っていくよ、とだけ言って兄妹で部屋を出ていった。
「……なぁ、サフィール」
「なに?」
「ジェイドは、本当にカーティス家に……」
「カーティス家に入ればね、軍の研究所でレプリカの研究をさせてもらえるんだ。そうすればネビリム先生だって……!」
真剣な眼差しで訴えるその先が、人として踏み入れてはいけない場所にある事を知っていて、それでも進もうとするこの天才と呼ばれる幼馴染み達に、いやその考え方に嫌悪する。
「ピオニーは……ジェイドが出て行っちゃうの、嫌なの?」
ちょこちょこと区切りながらの掲載です。
専ら制作はバス待ち時間と乗ってる間ですね。自分車酔いする方なんで乗ってる間は殆ど進みませんが。
会話が多いです。何ででしょう……。
そして偽者度が高いです…。
特にサフィール、口調をジェイドと区別しようとしておかしくなるんですが……何故に。
まだまだ?続きます。
2006'04.17.Mon
「ジェイド……!」
怪訝そうな顔で振り返り、なんですか、とだけ言って押し黙る。
「……なんで今更、そんな他人行儀なんだよ………」
「…カーティス家の軍人になるのならば、相手を弁えた言葉を使え、と言われました」
「俺…いや、皇帝候補にはそう接しろって事か……。俺達は、幼馴染み…なのに」
「……私は皇帝陛下に仕える身になります、から………それでは失礼します」
今度は確実に扉の外に相手は消えた。一段と静かになった部屋で、ぽつり、と呟いた。
「……なんで、だよ」
「ジェイド!絶対僕もいつか軍に入るからね…!ジェイドの側で手伝いたいから…」
「……お前が来ても邪魔なだけだよ」
「お兄ちゃん…!……サフィールに酷いこと言わないで。お別れくらい仲良くしてよ」
「……」
「…ピオニーからは何かないの?」
「………別に」
「!…ジェイドここからいなくなっちゃうのに、そんな言い方ないよ…!」
「サフィール……いいから」
「……ジェイド?」
「お世話になりました。多分次に会うのは宮殿で、ですね。……殿下」
「……………おい」
「……なんですか」
「お前、いつ此処から発つんだ…?
「え……今から、ですが」
「……明日にしろよ」
「……は?なに言ってるん、ですか。…今日出発しなければ期日に首都に着けません。貴方も分かってるでしょう……!」
「カーティス家には連絡を入れさせる。……実家に居辛いなら俺の屋敷にでも泊まれ」
「ピオニー…!お前勝手な事――」
「納得出来て無いのに、さよなら、なんて言える訳無いだろうが……!」
「……」
「………お願いだ、ジェイド」
「……………わかりました。でもカーティス家には、自分から連絡入れますから」
珍しく会話ばっかです。街の出口か港辺りでずっと喋ってるんだと思ってください……。
なんかいろいろ思ったんですが、カーティス家に養子に行くのはジェイドが12の時なのでネフリーは7才ぐらいなんですよね。……しっかりしてるなぁ(笑
このあと切羽詰まった陛下(まだ陛下じゃ無いけど)が行動を移す…はず。
まだ書けて無いので何も言えません……。
ほのかにジェイドの口調が揺れてるのは、まだ敬語に慣れてないからです。
いえ、ジェイドの事だから大人相手にはそれなりに話すんでしょうが、ピオニー相手には、ということですよ。
怪訝そうな顔で振り返り、なんですか、とだけ言って押し黙る。
「……なんで今更、そんな他人行儀なんだよ………」
「…カーティス家の軍人になるのならば、相手を弁えた言葉を使え、と言われました」
「俺…いや、皇帝候補にはそう接しろって事か……。俺達は、幼馴染み…なのに」
「……私は皇帝陛下に仕える身になります、から………それでは失礼します」
今度は確実に扉の外に相手は消えた。一段と静かになった部屋で、ぽつり、と呟いた。
「……なんで、だよ」
「ジェイド!絶対僕もいつか軍に入るからね…!ジェイドの側で手伝いたいから…」
「……お前が来ても邪魔なだけだよ」
「お兄ちゃん…!……サフィールに酷いこと言わないで。お別れくらい仲良くしてよ」
「……」
「…ピオニーからは何かないの?」
「………別に」
「!…ジェイドここからいなくなっちゃうのに、そんな言い方ないよ…!」
「サフィール……いいから」
「……ジェイド?」
「お世話になりました。多分次に会うのは宮殿で、ですね。……殿下」
「……………おい」
「……なんですか」
「お前、いつ此処から発つんだ…?
「え……今から、ですが」
「……明日にしろよ」
「……は?なに言ってるん、ですか。…今日出発しなければ期日に首都に着けません。貴方も分かってるでしょう……!」
「カーティス家には連絡を入れさせる。……実家に居辛いなら俺の屋敷にでも泊まれ」
「ピオニー…!お前勝手な事――」
「納得出来て無いのに、さよなら、なんて言える訳無いだろうが……!」
「……」
「………お願いだ、ジェイド」
「……………わかりました。でもカーティス家には、自分から連絡入れますから」
珍しく会話ばっかです。街の出口か港辺りでずっと喋ってるんだと思ってください……。
なんかいろいろ思ったんですが、カーティス家に養子に行くのはジェイドが12の時なのでネフリーは7才ぐらいなんですよね。……しっかりしてるなぁ(笑
このあと切羽詰まった陛下(まだ陛下じゃ無いけど)が行動を移す…はず。
まだ書けて無いので何も言えません……。
ほのかにジェイドの口調が揺れてるのは、まだ敬語に慣れてないからです。
いえ、ジェイドの事だから大人相手にはそれなりに話すんでしょうが、ピオニー相手には、ということですよ。
2006'04.17.Mon
「……今、なんて言った…?」
静まり返った屋敷の一室。彼らが此処に来る事など皆無に等しかったが、その日だけは違っていた。とはいっても、今此処にいるのはその部屋の主と、あと一人だけ。
その相手に向かっての先程の台詞は、弱々しく語尾は震えていた。
「ですから、私はカーティス家の養子になると」
聞き慣れない相手の敬語をひそかに悲しく感じながら、ある種の諦めを決意する。
「……この街から出ていくんだな」
「………はい」
「……今日はわざわざそれを言いにここに来たのか」
「今まで、それなりにお世話になりましたから…。では……用件は済んだのでこれで」
一礼して部屋を出ていこうとする相手を、寸での所で呼び止めた。
続きます……。
初夜まで持っていけるか自信ない。
そういうシーンになったら普通に裏に移すかも。
場合によったらそのまま此処に流すかも(苦笑
だって此処UPしやすいんですもん。
……流石にそうなったら注意書きぐらいはします、よ。
静まり返った屋敷の一室。彼らが此処に来る事など皆無に等しかったが、その日だけは違っていた。とはいっても、今此処にいるのはその部屋の主と、あと一人だけ。
その相手に向かっての先程の台詞は、弱々しく語尾は震えていた。
「ですから、私はカーティス家の養子になると」
聞き慣れない相手の敬語をひそかに悲しく感じながら、ある種の諦めを決意する。
「……この街から出ていくんだな」
「………はい」
「……今日はわざわざそれを言いにここに来たのか」
「今まで、それなりにお世話になりましたから…。では……用件は済んだのでこれで」
一礼して部屋を出ていこうとする相手を、寸での所で呼び止めた。
続きます……。
初夜まで持っていけるか自信ない。
そういうシーンになったら普通に裏に移すかも。
場合によったらそのまま此処に流すかも(苦笑
だって此処UPしやすいんですもん。
……流石にそうなったら注意書きぐらいはします、よ。
2006'04.14.Fri
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