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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2008'12.25.Thu
ゆっくりと足音を立てないように忍び込む、彼等の寝室。簡素なベッドの枕元に静かに置くのは小さな小包。目的を果たせば後は早々に部屋を立ち去るだけ。
音も立てずに扉を閉めれば、堪えきれず安堵の溜め息が漏れてしまった。
「真っ黒な服のサンタなんて聞いたこと無いわよ」
するとその溜め息が合図になったのか、いつの間にか背後に構えていた彼が茶化すようにそう言った。
「たまには赤じゃなくてもいいだろ」
「本当に構わずにはいられないのねぇ、青年人良すぎ」
「あいつらもここの所頑張ってたからな、これくらいのイベントはあった方が良いだろ」
「寧ろ、無駄遣いするなーってリタっち辺りは起こるかもよ」
「そん時はおっさんがフォローしてくれよ」
そう言いながら小さく笑って自分たちの部屋に向かう。誰も居ない部屋は冷え切っていた。即座に備え付けられた暖炉に薪をくべて暖を取る。
「やっぱ寒ぃな、おっさんが大人しく部屋に居てくれれば火も残ってたかもしれないのに」
「無言で部屋を抜け出した青年が悪いんでしょ、そんな事されたら何かあると思うじゃない」
「察せよ、大人だろ」
「いいじゃないいいじゃない、お子様方はバレてないんだからさ」
そんな会話を続けていれば漸く火が大きくなり部屋全体が暖まってくる。先程から寒さに微かに震えていた彼は、今は何事も無い様にベッドの上に横たわっていた。
「それは別にどうでも良いんだけどな」
「あらそうなの」
「朝になれば結局バレるだろ、流石にそこまでお子様じゃ無いだろうし」
「まぁ、確かにそうだわね。じゃなんでそんなに気にしてるのよ、青年」
少し口を尖らせながらそう言う彼に苦笑しながら、身を起こして彼の元へ向かう。横に立って彼の顔を見下ろせば、戸惑った様な顔をしていた。
「な、なによ青年」
「………無自覚、なのが質悪いんだよな」
そのままシーツの上に無造作に置かれた手を握れば、それはひんやりと冷たかった。ぺちぺちと頬を叩いてみても同じく冷たい。ゆっくりと赤くなってきて漸く暖まってる感じだ。
「ちょ、ユーリ、どうしたのよっ」
「んー…、おっさんを暖めてるんだよ、寒がりの癖にわざわざ身体冷やしやがって」
「別にこれ位どうって事無いわよ」
「嘘付けって、震えてた癖に」
そう言えばしまった、とでもいう様な表情を浮かべて、そのまま腕の中で大人しくなる。抱き締めてみれば一層身体が冷えているのが分かった。
「まぁ、おっさんがそれだけ嫉妬してくれたって事だもんな」

腕の中の顔は真っ赤に染まっていて、ぱくぱくと面白く動いている唇に口付けれは、そこだけはとても暖かかった。


「メリークリスマス、レイヴン」




選択制お題より。
配布元:Abandon




本当は拍手文にしようと思ってたんですが間に合わなかったのでこっちに載せました。
レイヴンは多分無自覚に嫉妬してたんだと思います。それに気付いたユーリは嬉しいんだけど、全くこんなに冷えちゃってもう、みたいな感じ(笑
ちなみにユーリのプレゼントはアクセサリーとかそんな感じのものかと。

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