2010'06.30.Wed
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2010'06.15.Tue
大変遅くなりましたゼロジェゼロ。
前回19話から約1年……読者が付いて来てるのか超不安(汗
一応復習してから読むことをお勧めします(苦笑
20
ガオラキアの森はとても薄暗く不気味な森で、同じ様な地形が続いている。案内が無ければ確かに迷ってしまいそうだ。しかもそれに見合うように、お決まりの怪談話があるらしい。
「で、その旅人の怨霊が今でもさ迷い続けていて、同じ様にこの森に迷い込んだ旅人を取り込もうとしてるんだとよ」
「げっ、マジかよ…」
「そんな話嘘に決まってるよ、ロイド」
「それがそうでもないんだぜ、がきんちょ。この森に入って帰ってこなかった奴らだって一杯いたんだぜぇ?」
その暗い道を歩きながら意気揚々と語る彼に、あからさまに本気にしたり、呆れた顔を向けながらも興味はあるのか耳を貸したりする少年達を、何だか微笑ましい気分で見ていた。あの頃も同じ様な反応を示すあの子等に、私も同じ様な悪乗りをしていた筈だ。もう遠い昔の様な気がする。否、時空自体が異なっているのだが。体感覚の話だ。
「で、おっさん、俺様の話聞いてる?」
「おや、私の事ですか」
「呼んでも反応無いんだから十分おっさんでしょ」
思考に没頭してしまい、呼ばれていた事にも気付かなかったようだ。前はそんな事滅多に無かったのに、どうやら年を取って色々と鈍くなったらしい。
「あんたは幽霊とか信じる方か?」
「いやぁ、私は不確定な物は信じませんよ、証拠があれば別ですが」
そう応えれば話を聞いていた周りからも不信な声が挙がる。それをどこかたのしそうに受け流す彼の顔はいつものままだった。
入り組んだ森を進むのは案内があれどやはり一苦労で、最初は騒いでいたメンバーも今では会話一つ無い静けさを保っている。無言で前を進むプレセアの姿が見えなくならない程度に距離を取って彼等を見渡せば、疲労の色が顔に浮かんでいるのは一目瞭然だった。
「全く、情けないですねぇ」
「ホントだな、ネクロマンサーさんよ」
溜め息混じりの呟きに、応える様な声が横から聞こえてくる。彼だけは全くと言って良いほど疲労していなかった。
訝しげに向けた視線は、挑戦的な笑みで返される。明らかに何かを含んでいるそれ。
「何だよ、あんただって同じじゃねぇの」
その意図を掴み取れずに居れば、声を立てて笑いながらそう囁く。周りには聴こえない様に、酷く小さく。
「……何を、」
「『ルーク』に会うまで、倒れるわけには行かないんだろ……?」
その唇が紡いだのは、もう聞く筈の無い、あの子の名前だった。
近頃になって思ったんだけど、この話の二人は苛め愛なんだと思う(笑
そう思わないとCP要素皆無だよ、ね…。
前回19話から約1年……読者が付いて来てるのか超不安(汗
一応復習してから読むことをお勧めします(苦笑
20
ガオラキアの森はとても薄暗く不気味な森で、同じ様な地形が続いている。案内が無ければ確かに迷ってしまいそうだ。しかもそれに見合うように、お決まりの怪談話があるらしい。
「で、その旅人の怨霊が今でもさ迷い続けていて、同じ様にこの森に迷い込んだ旅人を取り込もうとしてるんだとよ」
「げっ、マジかよ…」
「そんな話嘘に決まってるよ、ロイド」
「それがそうでもないんだぜ、がきんちょ。この森に入って帰ってこなかった奴らだって一杯いたんだぜぇ?」
その暗い道を歩きながら意気揚々と語る彼に、あからさまに本気にしたり、呆れた顔を向けながらも興味はあるのか耳を貸したりする少年達を、何だか微笑ましい気分で見ていた。あの頃も同じ様な反応を示すあの子等に、私も同じ様な悪乗りをしていた筈だ。もう遠い昔の様な気がする。否、時空自体が異なっているのだが。体感覚の話だ。
「で、おっさん、俺様の話聞いてる?」
「おや、私の事ですか」
「呼んでも反応無いんだから十分おっさんでしょ」
思考に没頭してしまい、呼ばれていた事にも気付かなかったようだ。前はそんな事滅多に無かったのに、どうやら年を取って色々と鈍くなったらしい。
「あんたは幽霊とか信じる方か?」
「いやぁ、私は不確定な物は信じませんよ、証拠があれば別ですが」
そう応えれば話を聞いていた周りからも不信な声が挙がる。それをどこかたのしそうに受け流す彼の顔はいつものままだった。
入り組んだ森を進むのは案内があれどやはり一苦労で、最初は騒いでいたメンバーも今では会話一つ無い静けさを保っている。無言で前を進むプレセアの姿が見えなくならない程度に距離を取って彼等を見渡せば、疲労の色が顔に浮かんでいるのは一目瞭然だった。
「全く、情けないですねぇ」
「ホントだな、ネクロマンサーさんよ」
溜め息混じりの呟きに、応える様な声が横から聞こえてくる。彼だけは全くと言って良いほど疲労していなかった。
訝しげに向けた視線は、挑戦的な笑みで返される。明らかに何かを含んでいるそれ。
「何だよ、あんただって同じじゃねぇの」
その意図を掴み取れずに居れば、声を立てて笑いながらそう囁く。周りには聴こえない様に、酷く小さく。
「……何を、」
「『ルーク』に会うまで、倒れるわけには行かないんだろ……?」
その唇が紡いだのは、もう聞く筈の無い、あの子の名前だった。
近頃になって思ったんだけど、この話の二人は苛め愛なんだと思う(笑
そう思わないとCP要素皆無だよ、ね…。
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