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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2008'09.23.Tue

「あんたは何を守りたいんだ」
不意に問いかけられた質問はその意味を掴むには余りに曖昧すぎて、反応を返そうにもどう返して良いか解らず、結局はいつもの様に惚けたような台詞が口から出てしまった。
「……一体何の事かな、青年」
案の定惚けるなとでも言いたげな顔で溜め息を吐かれるが、今回は本当に解らないんだから仕方無いだろう。自分はなんて信用されていないのか、自業自得なのは解っているが、少し泣きたい気分だ。
「帝国飛び出してギルドに入ってまで守りたいもの、あんたにだってあるんだろ」
返された返事は青年からすれば真剣に聞きたいことなんだろう。唯でさえ守りたい者の為にもがいている彼だ。ドンのあの姿を見て思う事もあるのだろう。
だが、それを自分に聞いてくるとは。
「……困ったねぇ」
「別に言いたくないなら聞かねぇよ」
「いやー……なんつーか、その答えを持ってないのよね」
苦笑しながらそう言えば驚いた顔を向けられる。自分の無機質な心臓がちくりと痛んだ気がした。そんな感覚は当の昔に無くなったと思っていたのに。
「まぁ、誰もがみんなドンみたいな高い志を持ってるわけじゃない、ってこと」
そもそも帝国を飛び出してさえいないのだ。あの方がそう言ったからユニオンに入り込むのに一番有利なギルドを選んだだけ。情報を得易くする為にドンに気に入られる様に過ごしていたら、気が付けば幹部にまでなっていただけの事。
守りたいものも守りたい法も何もない。あるとすればそれはあの方からの信頼だけ。あの方だけが私の絶対の法。それだけが道具である私の拠り所なのだから。
「そうかよ……俺、人を見る目に自信あったんだけど、勘違いだったみてぇだな」
まるで蔑む様な視線を注がれながら、そう言い放たれる。また偽物の心臓がちくりと痛んだ。慣れないその感覚に戸惑いながら、それを誤魔化す様に作った笑みで軽口を叩いた。
「何よその言い種、まるでおっさんが駄目人間みたいじゃないの」
「そのつもりで言ったんだけどな」
「うわ、酷いわー」
そのやり取りを最後に、青年は興味無さ気に立ち去った。ボロが出ずに済んで良かったと胸を撫で下ろすが、どうも先程の心臓の痛みが気になって仕方がない。
まさか、心を痛めるなんて事象が自分に起こる筈等無いのに。

また、凍った筈の心が、ちくりと痛んだ。








仲の良いユリレイを書こうとしたのに何故こうも険悪に(汗
つかアレシュヴァが根底で強すぎ。
多分シュヴァーン戦を過ぎれば変わるはずだよ(苦笑

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