2008'03.27.Thu
久しぶりにパソから日記更新。
ということで、拍手に載せてたデカダンお題文を続きからどうぞ。
一見スパルカのルカスパホワイトデー文です。
それと拍手を短文に差し替えました。
ということで、拍手に載せてたデカダンお題文を続きからどうぞ。
一見スパルカのルカスパホワイトデー文です。
それと拍手を短文に差し替えました。
くしゃくしゃにされた紙袋の中に手を突っ込み取り出したのは小さな紙箱。可愛らしいシールで封をされたそれを開けると中には美味しそうなクッキーが沢山あった。
「………勿体ねぇじゃん」
そう呟いて箱の中から一つ取り出し口に含むと、さくりという音と共に甘過ぎないほのかな砂糖の甘味が口の中に広がる。
さらにもう一つ、と腕を伸ばした所で部屋の扉が開いた。
「………な、なんで」
入った瞬間俺が手にしている箱とクッキーに目が行ったのか、これでもかというくらい動揺しているルカを尻目に、手にしたクッキーを再び口に入れた。
「それ……僕、ごみ箱に捨てた筈なのに…」
ルカは信じられない、とでも言いたげな目で俺を眺めている。その様に何故か笑いがこみ上げてきて、大声で笑ってやった。
「見える場所に捨てるのがいけねぇんだろ。てかよ、これ食えるじゃねぇかよ」
そう言って箱を指差せば、うっ…と息を飲んで固まってしまう。 その間にも俺は次々とクッキーを消費している。
「もしかしてあれか?イリアに渡そうとして結局怖じ気づいたりしたんだろ」
「違うよ……!」
茶化そうと口にした台詞を力一杯否定される。予想と違った反応に少し驚くも、じゃあなんだよとさらに返した。
「あ、いや………その」
すると今度は歯切れの悪い返事が返ってくる。そのなんだかうじうじした様子に痺れを切らして声を荒げれば、今にも泣きそうな顔で小さく答えた。
「イリアじゃ、なくて………その、スパー、ダに……」
語尾の消えそうな声をどうにか聞き取り、その想像していなかった答えに呆気に取られた。
「……男の僕から贈るのって、やっぱり気持ち悪いんじゃないかな、って…………思っ、て」
「……いや、別にいいんじゃねぇの?ホワイトデーってそういうもんなんだろ」
口にしてしまってからそうじゃねぇだろ、と気付いたけれどもう遅かったようで。
先程までとは打って変わって、目をきらきらさせたルカが目の前にいた。
「よかった……それじゃあ受け取ってくれたって事になるのかな」
「あ、あ…そうだな、っ」
その意気揚々とした様子にもう肯定しか返せなくて、戸惑いながらもそう返せば。
口の端をぺろりと舐められた。
「食べかすがついてたよ」
いきなりの事に驚いて固まる俺を尻目に、ルカは妖しく笑っている。顔が熱くなっているのが分かった。
「な、な、な……」
壊れた様に繰り返す音に我ながら情けないと思ったけれど、なってしまったものは仕方がない。
これがやりたかったんだよね。
それを聞いた瞬間、騙された。と思わずにはいられなかった。
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