2008'04.03.Thu
アレハレ。25話後。
目を開ければそこは真っ暗な闇。光の閉ざされた、どこまでも続いているようで目の前で終わっているような、感覚の無い空間。そこには何もない。ただ闇だけが存在している。
「は、れ……るや?」
弱々しく呟いた彼の名前を聞いて、そこに僕が居るのだと、理解できた。しかし、それだけだ。彼の返事は無い。彼の姿も声もあの金色の眼もそれに映った僕の姿も、あのあたたかさも。
何もない虚無の空間で存在も朧気に独りで立っている。
「僕を置いていかないでよ」
返事はやはり帰ってこない。これではただの独り言だ。虚しさだけがこみ上げてくる。溢れた涙は闇に消えた。
どれだけここに居たのか、分からなくなるほど独りで泣いた。涙を拾う彼はもう居ないのだ。
立っているのか座っているのか、はたまた横になっているのかは判断できない。ただ、縋るように横に腕を延ばしてみた。
指先が少しだけ、あたたかさを、拾った。
そこにあったのは、闇だけ。けれど確かに感じたあたたかさ。この空間では彼以外からは手に入らないもの。
「………そこに居たんだね、ハレルヤ」
「ああ、ずっと居たぜ、……アレルヤ」
見えない右目の死角のあたりから、彼の声だけが聞こえた。
「泣いてたのか……鼻声だぜ」
「……ハレルヤ、こそ」
「俺は泣いてねぇ、よ」
「僕、だって……」
「ねぇ、ハレルヤ……ずっとここに居てくれるよね」
「居るさ、お前が、俺を探し出す限り……」
「………、うん」
閉じられた空間の中で、声だけで会話する。姿は相変わらず、見えない。目に映るものは闇だけだ。しかし。
このあたたかさを探せない訳が、無い。
瞼を開ければ激しい光と共に、硝子に映った銀色の眼が、見えた。
アレルヤはハレルヤの姿を見ることは出来ず、ハレルヤはアレルヤの姿を見ることは出来ません。でも温もりを感じることは出来る。アレルヤがハレルヤの存在を感じた時にやっとハレルヤの声が聞こえるんです。よくわかりませんがそんな感じ。
ハレルヤは生きていると願いを込めて。
目を開ければそこは真っ暗な闇。光の閉ざされた、どこまでも続いているようで目の前で終わっているような、感覚の無い空間。そこには何もない。ただ闇だけが存在している。
「は、れ……るや?」
弱々しく呟いた彼の名前を聞いて、そこに僕が居るのだと、理解できた。しかし、それだけだ。彼の返事は無い。彼の姿も声もあの金色の眼もそれに映った僕の姿も、あのあたたかさも。
何もない虚無の空間で存在も朧気に独りで立っている。
「僕を置いていかないでよ」
返事はやはり帰ってこない。これではただの独り言だ。虚しさだけがこみ上げてくる。溢れた涙は闇に消えた。
どれだけここに居たのか、分からなくなるほど独りで泣いた。涙を拾う彼はもう居ないのだ。
立っているのか座っているのか、はたまた横になっているのかは判断できない。ただ、縋るように横に腕を延ばしてみた。
指先が少しだけ、あたたかさを、拾った。
そこにあったのは、闇だけ。けれど確かに感じたあたたかさ。この空間では彼以外からは手に入らないもの。
「………そこに居たんだね、ハレルヤ」
「ああ、ずっと居たぜ、……アレルヤ」
見えない右目の死角のあたりから、彼の声だけが聞こえた。
「泣いてたのか……鼻声だぜ」
「……ハレルヤ、こそ」
「俺は泣いてねぇ、よ」
「僕、だって……」
「ねぇ、ハレルヤ……ずっとここに居てくれるよね」
「居るさ、お前が、俺を探し出す限り……」
「………、うん」
閉じられた空間の中で、声だけで会話する。姿は相変わらず、見えない。目に映るものは闇だけだ。しかし。
このあたたかさを探せない訳が、無い。
瞼を開ければ激しい光と共に、硝子に映った銀色の眼が、見えた。
アレルヤはハレルヤの姿を見ることは出来ず、ハレルヤはアレルヤの姿を見ることは出来ません。でも温もりを感じることは出来る。アレルヤがハレルヤの存在を感じた時にやっとハレルヤの声が聞こえるんです。よくわかりませんがそんな感じ。
ハレルヤは生きていると願いを込めて。
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