2008'12.22.Mon
2008'12.21.Sun
彼に命じられ遠くからその若者達を眺めていた。暴走した魔導器は簡単に治まるものでは無いと解っている。彼が手出し無用と判断したのであれば自分はそれに従うまでだ。
本来街を護るべきその魔導器がエアルを乱した為、現在街には随分と濃いエアルが氾濫している。この偽りの心臓も鈍い音を上げていた。息苦しさに眉を顰めるが、彼の手前、痺れる足を叱咤して体勢を保つ。魔導器に近付くのはあの魔導少女だろうか。泣きそうな顔をしながらパネルの操作を始めている。周りの気も皆そちらに集中している中、見上げてきた彼と目が合った。
『決して目を離さずしかと見ておけ』
口の動きだけで伝えられるその言葉に、抑えていた冷や汗が吹き出る嫌な感覚が背筋に走る。それも束の間、痛みを訴えていた心臓が治まり、息苦しさから解放された。見ればあれだけ派手に暴走していた魔導器は何事も無かった様に静まり返っている。
その側には魔導少女とかの姫様が居た。少女は彼女の横で力無く倒れ込んでいる。小さく聞こえる会話から彼女が何か力を使ったのが伺えた。以前から姫様は特殊な力を持っていると聞いていたが、まさかこれがその力だというのか。
この力を、彼は望んでいるのか。
若者達が去った後、彼に呼ばれ告げられたのはやはり予想通りの内容だった。あの一行に潜入して姫様を監視し、時期が来たらば彼の下へとお連れする。皮肉なものだ。しかし彼は全てを解った上で自分に命じているのだろう。
「出来ないとは言うまいな」
「は、御意の儘に」
余計な考えは無用か。如何に足掻こうと何も変わりはしないのだ。彼の命じる儘道化の姿で入り込めば良い。長年続けてきたそれを見破られる事は決して無い、筈。あの方は昔の、生きていた頃の自分しか知らないのだから。
「シュヴァーン」
咎める様に呼ばれた名に意識を戻せば、二つの赤い目が冷たく射抜く。見慣れたそれに何ら特別感じる事も無く、何時もと同じ様に返事を返せば、腹部に不意に襲い来る痛み。つられて込み上げてくる吐き気を必死に抑えながら、蹲った姿勢の儘彼を見上げれば、先程と変わりない冷たく赤い目が見下ろしていた。
「お前は私の道具である事を忘れるな」
「………は、い」
繰り返される暴力という名の行為も、肯定さえし続ければ何れ終わると知っている。敢えて痛みを受ける様な趣向は持ち合わせていない。何れ全てが終われるその時迄、従順でさえ居れば。
「では、よろしくお願いします、レイヴン」
「はいはい、よろしくねエステル嬢ちゃん」
親愛なるエステリーゼ様、かつて貴女を護っていた騎士は遠い昔に死んでしまった。此処に居るのは、今や道化を演じる死人でしか無い。貴女を苦しめる、只の道具でしか無いのです。
彼女の変わらぬ無邪気な笑みに、無い筈の心臓が痛んだ気がした。
選択制お題より。
配布元:Abandon
アレシュヴァにシュヴァーン護衛話を突っ込んでみたらこうなった(苦笑
実際昔に護衛とかしてたら、相当辛いと思うんだよね。裏切らないといけないとかさ。
これに沿った続きとか過去話を書いてみたい。
本来街を護るべきその魔導器がエアルを乱した為、現在街には随分と濃いエアルが氾濫している。この偽りの心臓も鈍い音を上げていた。息苦しさに眉を顰めるが、彼の手前、痺れる足を叱咤して体勢を保つ。魔導器に近付くのはあの魔導少女だろうか。泣きそうな顔をしながらパネルの操作を始めている。周りの気も皆そちらに集中している中、見上げてきた彼と目が合った。
『決して目を離さずしかと見ておけ』
口の動きだけで伝えられるその言葉に、抑えていた冷や汗が吹き出る嫌な感覚が背筋に走る。それも束の間、痛みを訴えていた心臓が治まり、息苦しさから解放された。見ればあれだけ派手に暴走していた魔導器は何事も無かった様に静まり返っている。
その側には魔導少女とかの姫様が居た。少女は彼女の横で力無く倒れ込んでいる。小さく聞こえる会話から彼女が何か力を使ったのが伺えた。以前から姫様は特殊な力を持っていると聞いていたが、まさかこれがその力だというのか。
この力を、彼は望んでいるのか。
若者達が去った後、彼に呼ばれ告げられたのはやはり予想通りの内容だった。あの一行に潜入して姫様を監視し、時期が来たらば彼の下へとお連れする。皮肉なものだ。しかし彼は全てを解った上で自分に命じているのだろう。
「出来ないとは言うまいな」
「は、御意の儘に」
余計な考えは無用か。如何に足掻こうと何も変わりはしないのだ。彼の命じる儘道化の姿で入り込めば良い。長年続けてきたそれを見破られる事は決して無い、筈。あの方は昔の、生きていた頃の自分しか知らないのだから。
「シュヴァーン」
咎める様に呼ばれた名に意識を戻せば、二つの赤い目が冷たく射抜く。見慣れたそれに何ら特別感じる事も無く、何時もと同じ様に返事を返せば、腹部に不意に襲い来る痛み。つられて込み上げてくる吐き気を必死に抑えながら、蹲った姿勢の儘彼を見上げれば、先程と変わりない冷たく赤い目が見下ろしていた。
「お前は私の道具である事を忘れるな」
「………は、い」
繰り返される暴力という名の行為も、肯定さえし続ければ何れ終わると知っている。敢えて痛みを受ける様な趣向は持ち合わせていない。何れ全てが終われるその時迄、従順でさえ居れば。
「では、よろしくお願いします、レイヴン」
「はいはい、よろしくねエステル嬢ちゃん」
親愛なるエステリーゼ様、かつて貴女を護っていた騎士は遠い昔に死んでしまった。此処に居るのは、今や道化を演じる死人でしか無い。貴女を苦しめる、只の道具でしか無いのです。
彼女の変わらぬ無邪気な笑みに、無い筈の心臓が痛んだ気がした。
選択制お題より。
配布元:Abandon
アレシュヴァにシュヴァーン護衛話を突っ込んでみたらこうなった(苦笑
実際昔に護衛とかしてたら、相当辛いと思うんだよね。裏切らないといけないとかさ。
これに沿った続きとか過去話を書いてみたい。
2008'12.19.Fri
今日ついにハーツを手に入れDSで久しぶりにテイルズをプレイしたんですよ。
なんと初っぱなからメニューがうまく操作出来ません。
何故だと思いきや。
私AとBを逆に操作してました。
わぉ、なんてxbox360マジック(笑
こっちの方が本来のテイルズの操作の仕方なのに7時間やって漸く慣れてきた感じです。
どんだけヴェスばかりやっていたのか(苦笑
いやまあ昨日もプレイしてたけど。
だってうさみみ紳士用と聖騎士が漸く手に入ったんだもの、見ていたいじゃん。
まぁ取り敢えずここ一週間位はハーツ漬けだと思いますがね。
現在ハーツは19Lvで7時間位。ティエ声の隊長と初めて戦って、空中はめでシング単身でボコりました(笑
負けても話が進んだけどここは敢えて倒してしまった。ペリドットは可愛い。
シンコハでシンヒスにも見えなくはないが、流石に最初は純粋にプレイしたいです(苦笑
でも。
ベリルのステータスイラストは可愛すぎると思うんだ(爆笑
小説とかはクリアするまでは書かない、つもり。ポリシーですから。
なんと初っぱなからメニューがうまく操作出来ません。
何故だと思いきや。
私AとBを逆に操作してました。
わぉ、なんてxbox360マジック(笑
こっちの方が本来のテイルズの操作の仕方なのに7時間やって漸く慣れてきた感じです。
どんだけヴェスばかりやっていたのか(苦笑
いやまあ昨日もプレイしてたけど。
だってうさみみ紳士用と聖騎士が漸く手に入ったんだもの、見ていたいじゃん。
まぁ取り敢えずここ一週間位はハーツ漬けだと思いますがね。
現在ハーツは19Lvで7時間位。ティエ声の隊長と初めて戦って、空中はめでシング単身でボコりました(笑
負けても話が進んだけどここは敢えて倒してしまった。ペリドットは可愛い。
シンコハでシンヒスにも見えなくはないが、流石に最初は純粋にプレイしたいです(苦笑
でも。
ベリルのステータスイラストは可愛すぎると思うんだ(爆笑
小説とかはクリアするまでは書かない、つもり。ポリシーですから。
2008'12.12.Fri
2008'12.11.Thu
捏造多数です、注意。
街の中でも特に見晴らしの良い場所にそれはあった。小さい、けれど綺麗な墓石が二つ、寄り添うように建てられていた。その前には、多分毎日換えているのだろう、綺麗なキルタンサスの花が二輪供えられていた。
「あっちで二人幸せにやってるのかね」
その小さな呟きに答える者は、誰も居ない。
「シュヴァーン、あなたきっと剣の方が向いてるわよ」
そう言って彼女が指差すのは少し離れた場所にある練習用の的。決して小さくはないそれに、矢は一本も刺さっていない。周りの壁が無惨に穴だらけになっているだけだ。
「もっと練習すれば絶対当たるようになるって」
「それ以前に弓の才能無いんじゃないのか」
「……なんだよイエガー、嫌味かよ」
「本当の事を言ったまでさ」
横で同じ様に弓を射っていた筈の彼は、早々と練習を切り上げたのか自分の練習の傍観に入っていた。隣の的は美しい程中心にばかり矢が刺さっている。
「でも本当に私は勿体無いと思うのよね。シュヴァーンあんなに剣技上手いんだもの、弓士より剣士の方が似合うわよ」
「というより、このままだと弓技試験落ちるぞお前、本当に大丈夫か」
「うぅ…それだけは勘弁だって」
先程までの茶化す様な視線から本格的に心配している視線に変わって、何だか居たたまれなくなる。しかし悲しいかな、的の中心は未だ綺麗なままだ。
「……全くお前は。キャナリ、此処あと何時間使えるんだ」
「えーと、あと1時間半かしらね」
「そんなに無いな、ほらシュヴァーン早く弓を構え直せ」
「え、なんだよいきなり」
「俺が直々に教えてやると言ってるんだよ」
そう言って無理矢理弓を構え直されたかと思えば、後ろから腕を掴まれて型から直される。彼女が笑っているのが目に入ってしまい、途端に恥ずかしくなった。けれどそこで抵抗するのもどうかと思い、どうにか我慢して彼の指導を受け続けた。30分近く型について散々言われ、その通りに矢を放ってみれば。
「……これでも当たらないのかよ」
今までと変わらず的に掠りもしなかった。
「シュヴァーン、お前本当に才能無いんじゃないか」
「……、流石に俺もそう思っちゃった……」
「もう諦めたらシュヴァーン。何なら私がアレクセイ小隊長に転属の話しましょうか」
「そりゃ酷いぜキャナリ、俺だって必死なのにー」
泣きそうな声でそう言えば、二人とも楽しそうに笑っていた。
手に持っていた一輪のキルタンサスをその二輪の横に供えれば、そこには三輪のキルタンサス。まるでそれはあの頃の様に、仲良く寄り添って並んでいた。
「本当に、どこでずれちゃったんだろうねぇ」
でも俺はまだそっちに行っちゃいけないみたいだからさ、もう少し会えるのが遅くなるけど、勘弁してよね。
選択制お題より。
配布元:Abandon
と言うことで捏造キャナリとイエガー。
攻略本から推測するにキャナリとイエガーは同僚らしく、アレクセイが上官とあったからイエガーは騎士だったんですよ多分。しかも貴族っぽい。なのでイエガーはルー語も無く普通に格好いい感じを目指してみました。
この3人が仲良かったら良いなぁと。多分この後シュヴァーンは案の定試験に落ちて、アレクセイの下剣士の道に進むんですよ。で見返す為に弓練習しまくってああなったと(笑
で、レイヴンのとこだけ描いてみた物↓



街の中でも特に見晴らしの良い場所にそれはあった。小さい、けれど綺麗な墓石が二つ、寄り添うように建てられていた。その前には、多分毎日換えているのだろう、綺麗なキルタンサスの花が二輪供えられていた。
「あっちで二人幸せにやってるのかね」
その小さな呟きに答える者は、誰も居ない。
「シュヴァーン、あなたきっと剣の方が向いてるわよ」
そう言って彼女が指差すのは少し離れた場所にある練習用の的。決して小さくはないそれに、矢は一本も刺さっていない。周りの壁が無惨に穴だらけになっているだけだ。
「もっと練習すれば絶対当たるようになるって」
「それ以前に弓の才能無いんじゃないのか」
「……なんだよイエガー、嫌味かよ」
「本当の事を言ったまでさ」
横で同じ様に弓を射っていた筈の彼は、早々と練習を切り上げたのか自分の練習の傍観に入っていた。隣の的は美しい程中心にばかり矢が刺さっている。
「でも本当に私は勿体無いと思うのよね。シュヴァーンあんなに剣技上手いんだもの、弓士より剣士の方が似合うわよ」
「というより、このままだと弓技試験落ちるぞお前、本当に大丈夫か」
「うぅ…それだけは勘弁だって」
先程までの茶化す様な視線から本格的に心配している視線に変わって、何だか居たたまれなくなる。しかし悲しいかな、的の中心は未だ綺麗なままだ。
「……全くお前は。キャナリ、此処あと何時間使えるんだ」
「えーと、あと1時間半かしらね」
「そんなに無いな、ほらシュヴァーン早く弓を構え直せ」
「え、なんだよいきなり」
「俺が直々に教えてやると言ってるんだよ」
そう言って無理矢理弓を構え直されたかと思えば、後ろから腕を掴まれて型から直される。彼女が笑っているのが目に入ってしまい、途端に恥ずかしくなった。けれどそこで抵抗するのもどうかと思い、どうにか我慢して彼の指導を受け続けた。30分近く型について散々言われ、その通りに矢を放ってみれば。
「……これでも当たらないのかよ」
今までと変わらず的に掠りもしなかった。
「シュヴァーン、お前本当に才能無いんじゃないか」
「……、流石に俺もそう思っちゃった……」
「もう諦めたらシュヴァーン。何なら私がアレクセイ小隊長に転属の話しましょうか」
「そりゃ酷いぜキャナリ、俺だって必死なのにー」
泣きそうな声でそう言えば、二人とも楽しそうに笑っていた。
手に持っていた一輪のキルタンサスをその二輪の横に供えれば、そこには三輪のキルタンサス。まるでそれはあの頃の様に、仲良く寄り添って並んでいた。
「本当に、どこでずれちゃったんだろうねぇ」
でも俺はまだそっちに行っちゃいけないみたいだからさ、もう少し会えるのが遅くなるけど、勘弁してよね。
選択制お題より。
配布元:Abandon
と言うことで捏造キャナリとイエガー。
攻略本から推測するにキャナリとイエガーは同僚らしく、アレクセイが上官とあったからイエガーは騎士だったんですよ多分。しかも貴族っぽい。なのでイエガーはルー語も無く普通に格好いい感じを目指してみました。
この3人が仲良かったら良いなぁと。多分この後シュヴァーンは案の定試験に落ちて、アレクセイの下剣士の道に進むんですよ。で見返す為に弓練習しまくってああなったと(笑
で、レイヴンのとこだけ描いてみた物↓
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