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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2007'11.21.Wed
久しぶりですが、お題文です。
アシュナタというか、なんというか。
なんかジェイナタにも見えなくないというか(苦笑
いや、ジェイナタも好きですけどね。

どうも拍手文を頑張ってるとお題が疎かになってしまいます。容量が少ないんですかね(笑

続きからどうぞ

自分の視界の少し先、たった2メートル。されど2メートル。そのほんの少し前を、彼は紅い髪を翻しながら歩いていました。
その距離は近くて、遠い。
視界にははっきりと彼の姿が入るのに、手を伸ばしても届きはしない。伸ばす前から私は諦めていたのですけれど。
昔から変わらぬその距離。昔から変わらぬ私。変わってしまって、でも変わっていない、彼。
私達はそんな風に歪んだまま、過去を懐かしんでいるのです。


「私達は間違っていたのでしょうか」
小さく漏らした言葉は、前を歩く彼には聞こえない。けれどすぐ側を歩いていた大佐に届いたようで、それまで何食わぬ顔で前を向いていたのに、ゆっくりとこちらを振り返る。
赤い眼は決して優しい色を湛えてはいないけれど、少なからず心配の色を湛えていました。けれどそれは一体何を心配しての事なのか、私には解りませんでした。
「それが解っているならば、貴女は先に進めているのでは」
細められた眼から見えるのは同じ赤でも鮮やかな赤。紅でも朱でもない。それは当たり前なこと。違って当然。
その眼に映っていた私も、いつもとは違って見えた。
「貴方は何もかも見透かしておりますのね」
そこに映る私は今にも泣きそうに歪んでいる。あまりに惨めで眼を逸らせば、彼は少し先に行ってしまっていました。
「あなた方が解りやすいだけですよ」
ほら、先に行ってしまいますよ。と優しい声でそう言われ、再び前を向けば彼が心配そうな顔でこちらを見ていました。

「ナタリア」

そう少し遠くから呼ぶ声は、昔よりは幾分か低いけれど、そこに含まれる色はあの頃と変わらない。まだ、私を想って居てくれるのだと自惚れてしまいそう。
貴方がどうであれ、私はまだ過去の姿が頭から離れないのです。

「お待ちになって。今行きますわ」
少し足早に彼に近づこうと皆の間をすり抜ければ、背中に冷たい視線を感じました。ほら、それさえも昔と同じ。

私は間違っていると解っていて、甘んじてその過ちを繰り返すのです。


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