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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2009'04.24.Fri


いつも夢に見るのはあの瞬間。


流れ出す血は服を真っ赤に染めてなお止まる事は無い。激しい痛みが左胸を突き刺しているのに身体は麻痺したかの様に動かない。視界さえも真っ赤に染まって為す術も無い儘、ただ固い岩に横たわっている。
朦朧としてくる意識の中では、死というものを直に感じて恐怖を通り越して諦めかけていた。もう自分は死ぬんだと、そう意識を閉ざそうとして、最期に。
真っ赤な鎧に銀髪の姿が見えた。



死の瞬間は未だに鮮明に覚えているのだ。何度でも繰り返す夢の中で、自分は何度も死を迎える。終わることは無い終焉を繰り返すのだ。
そしていつも最期には彼の姿を見て、夢は終わる。その先には決して進みはしない。当たり前だ、死の先など存在する筈は無いのだから。
けれども自分はこうして過去の死を夢に見続けている。矛盾したこの状況に零れるのは苦笑ばかりだ。死んだ筈の自分が夢を見ているだなんて。

死んだ後を夢に見たことは決してない。あの頃は全てが曖昧で夢に残る様な事が無かっただけかもしれない。あの時から10年経とうとも、見るのはあの日のあの瞬間までだ。

それは彼と相対してからも変わりはしなかった。現実は彼らのお陰で明るいものに成りつつあるのに、夢の中では未だにあの頃の優しい彼が笑い掛けている。その先に在るのは絶望だと知っているのに、夢の中の自分は同じく彼に笑い返していた。

終わらない、まるで走馬灯の様な、その夢。


「勝手に忘れるなって?全く、勘弁して欲しいわ」


ほらまた、落ちた夢の中でもう一度、最初から最期までを繰り返すのだ。





選択制お題より。
配布元:Abandon




一度死んでるから見るのは走馬灯だけなおっさん。ユーリと寝てても夢で見るのはアレクセイばかりだから、起きた瞬間は訳が分からなくて、泣きそうになってたりしたら可愛いよね(笑

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