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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2009'04.25.Sat
噛みつく様に繰り返される一時の戯れ。それは不毛な行為以外の何物でも無い、今ではお決まりの挨拶みたいなものだ。
路地裏にこそこそ隠れておきながら咥内を貪り合って、いつバレるかというスリルを感じているのだ。まぁこれは俺だけだと思うけれど。
近頃は息子の方ともこんな事をしてると知ったら目の前のこいつはどう思うんだろう。薄く目を開けて、そこから見える鳶色を眺めてそう考える。
舌使いも息継ぎも全然違うこの親子だけれど(てかロイドは慣れてないだけかも知れないけどさ)、目の色だけはほんとそっくり。
髪の色はちょっと違うけど、ロイドも下ろしたらそっくりなのかもしれない。今度試してみようか。
「考え事とは随分余裕があるのだな」
「俺様がキス位でどうにかなる程生方じゃない事、知ってるでしょ天使様」
「どうだかな」
何だかんだ言って意地っ張りで負けず嫌いなのもそっくりだよな。独占欲も強いし。それが満更じゃない俺も俺だけど。
「お前はふらふらし過ぎなのだ」
「それは今更でしょーよ、俺様は可愛い子の誘いは断れないの」
笑いながらそう言ってまたキスを強請れば、不機嫌に眉間に皺を寄せて遮られる。
「男にだって足を開くだろう、お前は」
「……ねぇ天使様、怒ってんの」
常のこの男ならば決して言わない様な珍しい台詞に、これは随分と機嫌が悪いなと、何か癪に触っただろうかと頭を捻る。
「さぁ、どうだろうな」
そう惚けながら不敵な笑みを浮かべる。あんたのそんな顔が結構好きだったりするんだよな。そんな事を考えていれば不意にちくりと感じる痛み。見れば首筋に軽く噛み付かれていた。
入念に噛まれ吸われて、その後離れていく顔は何だか勝ち誇った様な顔をしていて、これはしっかりと痕を残されたな、とぼんやり思う。つか、それよりも。
(自分の息子相手に本気で嫉妬すんなって)
痕の付いているだろう部分を撫でながら昨晩の事を思い出す。確かロイドも同じ様にここに噛み付いていた。
ほんと、似た者親子だ。その間を行き来して、それでいてそれが満更じゃない俺も救い様の無い馬鹿だけれど。

でも。
あんた達が俺に触れてくる手は、とても温かくて心地良いんだよ。
だから、さ。

「あんただけは、俺を捨てないでよ」
(最期にあいつを裏切る俺を見捨てないで)


縋る様に伸ばされた手のひらを握り返す少し大きいそれは、じんわりと暖かった。







後日談

「あれ、何かここ、濃くなってるような」
「気のせいでしょ、ほらこっち向けって」
「おいっ、ん……ぷはぁ、……なぁ、何かゼロス、焦ってないか」
「何で俺様がロイド君相手に焦んなきゃいけないのよ、ほら集中しろや、下手くそなんだからよ」
「下手くそは余計だっ……くっそー…いつか泣かしてやるからな」
「ま、精々精進するんだな、ハニー」





とりあえずクラゼロ大好きです。
クラゼロお題も消化しないとなぁ(苦笑

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