忍者ブログ

日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008'10.14.Tue

「…あの者は一体何者なのだ」
手を振り少年を見送る彼の背中を眺めながら、小さく問う。すると彼は静かに微笑を湛えつつ先ほどと同じ事を繰り返した。
「それは僕にも解らないよ」
その声色は先程の心配を含んだものではなく、とても冷たいものになっていて、それは常に聞いている主としての声色そのものだった。彼の豹変振りに、何か企んでいるのかと思ってしまう。
「…では何故匿っているのだ」
その冷酷な顔に、悲しさに似た感情が湧き上がるが、それは極力心の内に隠して、冷静を押し通しながら続けて問う。すると私の葛藤など分かりきっているのか、嘲笑うかのような笑みと口調で答えを返された。
「あれは、この世界のものじゃない」
「何…」
「僕には分かる。あれはマナとは違う『もの』で成り立ってる。そんなのはこの世界じゃありえないからね」
返ってきた答えは突飛したものだった。意味が分からず聞き返せば、エルフの血を引かない君には分かるわけがないよね、と暗に言われる。少なからず歯痒く感じるが、今はそれを気にしている場合ではない。
まさかと思う私の予想を肯定するように彼は続ける。
「それに少しだけだけどオリジンの力の干渉を感じた。あれは時空間を越える力を持っている。別世界のものを連れてきてもおかしくは無い」
「…それは、あの者が別の世界の人間だと…」
別の世界が存在しないと、言い切ることは私には出来ない。それはかつてデリスカーラーンの存在を知った時から分かっていた事だ。絶対など、存在しない。
オリジンが今の状態から干渉を行ったというのは気になるが、しかしそれ以外の理由は私にも思い付かなかった。
ならばと彼の意見の肯定を得る為に私の予想を伝えれば、返ってきたのは意外にも否定の言葉だった。
「ふふ…それはおかしいな。多分あれは人間ではないからね」
「……、ではハーフエルフだと」
「違うな。あれは人間でもハーフエルフでも、無い。人間そっくりの…偽物だよ」
薄い笑いを浮かべながら彼は楽しそうに答えを述べ始める。それはまるで新しい玩具を見つけた子供の様だった。





漸く15話を上げれました。
ミトスばっかでジェイド出てないとか言わないで(苦笑
あと3、4話したら出てくると思う、ので。

拍手[0回]

PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
[326] [325] [324] [323] [322] [321] [320] [319] [318] [317] [316
«  BackHOME : Next »
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事

日記兼短文落書置場..........。 wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]