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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2010'06.10.Thu

続けて3月ログいきます。





「お前は、死にたいと思うのかい?」
白く塗りつぶされた無機質な部屋。硝子細工の様に綺麗で、繊細で、不安定な主は、冷めた声でそう笑っていた。
彼が笑うのなんて何時振りに見ただろう、そう言えば昔は結構見たような気もする。あの頃自分は酷く従順で馬鹿な子供だった。随分擦れてしまったと自覚しているけれど、今更どうしようもない。
今はただ、目の前に晒されている細く白い首筋に力一杯指を立てたいだけだ。
そうした所で、直ぐに息の根を止められるのは目に見えている。勿論自分が、だ。そこで先程の質問に戻るのだ。
目の前の主の首を絞めない事こそ、その答えなのだと。
「思いますけど、思いませんね」
「僕だと駄目だなんて、いつの間にお前はそんな贅沢になったんだい?」
「昔からですよ、ミトス様」
薄笑いを貼り付けながら、小さな主を見下ろせば、同じ様に彼は薄く笑っていた。
彼の反応が無意味になったのは何時からだろう。昔はそれなりに顔色を伺っていた筈だけれど、もう今は滑稽としか思えないのだ。それらの行為全てが。
だって、彼は決して救いを与えてはくれないのだから。



深く深く突き刺したそれは肺にまで達していて、吐き出した息は音にはならずただ血反吐を吐き出すだけだった。
濁った視界には彼の姿は無い。居るのは彼と正反対のロイド。今にも泣きそうな顔で真っ赤に染まった剣を抜いていた。
「泣くなよ、ロイド君」
そういえば彼の泣く所なんて見たこと無かったなあ。なんて滑る指で涙を拭いながらそんな事を考えていた。彼はただ冷酷に存在するだけで、そんな感情的な姿など、見たことなかったのだ、俺は。
けれど、彼は酷く感情的だったのだと、今更気付いた。ただそれを俺が求めなかっただけで。
「どうして、なんでだよ、ゼロス……!」
だって優しいお前なら、求めなくても救いを与えてくれるだろう、こうやって。
濁った視界に意識も曖昧になっていく。どんどん落ちていく意識の中で、最期に。

彼の声が聞こえた気がした。



「惨め、だな。お前はこんなのは望んで無かっただろうに」
紅い髪が広がる血と同化して、まるで紅い花を咲かせているかの様だった。救いを望んだ筈の相手は彼を此処に置いて先へと進んでいった。結局、こうやって僕の元へと帰ってくる。皮肉なものだ。お前は僕じゃなくてあいつらを選んだというのに。
「優しすぎるロイドには分からないのかな、これじゃ苦しみしか生まない事を」
冷たく冷え切った頬を撫でれば、まるで人形の様に固い。青白く染まった肌は不気味なだけだ。
彼は死を望んでいた。それは即ち、この世界に居る事を拒んでいたという事。それなのに、こんな惨めな姿を晒して。
「だから始めから、僕を選んでいればよかったんだよ、可哀想なゼロス」

冷たい頬に触れるだけのキスをして、手を翳す。現れた真っ赤な炎が全てを焼いて、彼自身を消し去っていた。

「静かに、お休み。……ゼロス」


空に舞った灰が、だたきらきらと光に反射して輝いて、消えた。




選択制お題より。
配布元:Abandon




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2010'06.10.Thu

もう定番になりつつある、困った時のログ上げ(苦笑
もうちょっと我慢して、ゼロジェゼロがもう少しで上げられる筈、なんだ。

バレンタインネタですが、珍しくD2でジュハロジュなんか書いちゃいました。
D2ホント大好きなんです。





こぽりと音を立てて液体が揺れるフラスコを眺めながら、小さく溜め息を吐く。そこで漸く、この部屋に来てしまった事を後悔するも、時は既に遅かった。



その日の地上軍駐屯地は、天地戦争真っ只中なのにも拘わらず、どこか浮き足立った雰囲気が漂っていた。
パーティのメンバーも例に漏れず、普段でさえ落ち着きが無いというのに、まるで祭りに向かうかの様に騒ぎ立てていた。
そんな最中呼び出されたのはハロルドの部屋だ。しかも一人で来いと名指しで、である。悪い予感しかしなかった。しなかったのだが、約束された手前、行かないというのもどこか気が引けた。
『そんな事思うなんて、坊ちゃんも随分丸くなりましたね』
「それは嫌味か、シャル?」
『違いますよ、僕は純粋に嬉しいんですから』
「……ふ、あいつ等に感化されたのかも知れないな」
話しながら足を進めていれば、狭いラディスロウの中では直ぐに目的地に着く。
悪い予感しかしないその部屋の扉を眺めていれば、何だか奇妙な匂いが漂って来た。やはり帰るかと踵を返そうとすれば。
「ちょっと遅いわよ、いつまで待たせるつもり?」
シャッターの開く音と共に響いた甲高い声に、頭が痛くなった気がした。



「……一体僕に何の用なんだ?」
「何って、決まってるじゃない」
そう言って振り向く彼女の手には、茶色の液体が入ったビーカーやフラスコが握られている。こぽりと粘度を持った音に甘い匂いに中身は薄々感づいていたが、入っている物が物だけにその答えだけは認めたく無かった。

「私の特製チョコレートの毒見係よ」

瞳をきらきらさせながらそう言う彼女に、たまらず頭を抱える。自分で毒見と言うのだから手に負えない。
『どんまいですよ、坊ちゃん』
宥める様なシャルの声が、その時ばかりは疎ましく思った。



「そろそろバレンタインでしょ、今年は例年以上に物資が無いし。兄貴や他の男共にあげるチョコだから、ま、良いじゃない」
フラスコから注がれる液体は、これまた研究用だろう長方形のガラスケースを茶色く満たしていく。何とも食欲が減衰する光景だが、確かに今の地上軍の現状ではこれが限度なのかも知れないと、妙に納得してしまった。
「見た目はアレだけど、別に変な物は入れて無いわよ?」
「……それで、僕はどれを食べれば良いんだ?」
「あら?予想してたより潔いじゃないの」
「揉めた所で変わらないだろう」
そう言って手を差し出せば、彼女は空になったビーカーを置きながら一つ溜め息を吐いた。
「なんだ、つまんないわね」
「……、僕で遊ぶな」
『坊ちゃんは何だかんだでからかい甲斐がありますもんね』
「あらシャルティエ、分かってるじゃない」
「……シャル、」
咎める様に強く名を呼べば、ぴたりと悪ふざけを止めて声が止む。その様子を彼女は笑いながら眺めていた。
「本当に面白いわねぇ、あんた達」
「……何がだ」
「あんたとソーディアンシャルティエの人格は全くの他人なのに、同調率がハンパないもの」
そう言うや否やあーだこーだと考え込む様に動きが止まった彼女に、それは良いのかとガラスケースに収まったままの液体チョコを指差した。
「あ、これは後。あんたが食うのは、こっち」
先程までの様子が無かった様にチョコを抱えてくる彼女に苦笑する。頭の回転が良すぎるのも如何なものか。
薬品の並ぶ机の上の隙間に置かれたチョコを眺めれば、それは先程までのガラスケースに入ったチョコと何ら変わりは無い。違いと言えば冷えて固まっている事位だ。
「変な物は本当に入っていないんだろうな?」
「信用無いわねぇ、平気よ、平気。そんなに不安なら私も一口食べてあげよっか?」
「別に、いらん」
あからさまに馬鹿にする様な笑みを浮かべられれば、それは拒否するに決まっている。思わずそう言ってしまってから、直ぐに己の行動を後悔した。
渋々渡されたチョコを口に運ぶ。恐る恐るというその様子を、彼女は笑いながら見ていた。
「どう?」
「…………別に、普通のチョコだが」
いざ口にしてみれば、それは何ら普通のチョコの味しかしなかった。確かに、何も入れていない、と言っていたが、それでは僕を呼んだ意味も無い筈だ。意味が分からないと頭を悩ませていれば、また笑う彼女の声が聞こえてきた。
「ぐっふっふ、大成功ね」
「な、何がだ…」
「なーんでもなーい。も、戻って良いわよ」
含んだ様に笑う彼女に、何やら悪寒が走るが、その答えを知らされる事無く部屋から追い出された。
一体何だったんだと愚痴を呟くも、その返事は帰って来ない。渋々、あてがわれた部屋に帰るしかなかった。



『……全く、遠回し過ぎるんだ、あの人は』
「シャル、何か言ったか?」
『何でもありませんよ、坊ちゃん』






選択制お題より。
配布元:Abandon




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2010'06.08.Tue
生きてます。どうも、ユルリです。
ちょこちょこゴミ箱には物を投下したりマガ文書いたりはしてたんですが、日記は開いてしまいましたね。
とりあえず拍手文変えたりおっさん文上げたり長編書いたりしないといけないのはわかってるんですが、何分筆を進める余裕がありません(汗
マガで精一杯の現状があります。ちなみにマガは当分おっさん文だけで行きますよ、浮気してたらマジで間に合わん。

ゼロジェゼロは構成作り直そうか悩んでる始末であります。でも連載過程で文体が変わるのも連載の良さではあるからなぁ……。
言ってしまうならば、前に書いてた書き方じゃ書き辛くて進まないだけなんですけどね(苦笑



以下拍手返信です


>ちるど様
あんな萌え語りを読んで下さってありがとうございます(笑
実は長命ゼロス君話は過去拍手で少しばかり連載してるんですよ、ログのページの過去拍手文のどこかにあったと思います。
続きも時々思い出したように拍手あたりで載せますので、宜しければお読み下さい。

ゼロジェゼロは設定を色々考えているんですが、どんな結末になるかはしっかりと決まっていないんですよね(苦笑
その時になってみんながどんな動きをするか、流れに任せてキャラは動かしてるので。
でも出来る限りは良い方向に持っていきたいです。
じゃないとゼロス君が本当に可哀想ですし。

本当にローペースで申し訳ないんですが、気長に付き合って頂けたら幸いです。



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2010'05.10.Mon
もう既にごみ箱を見た方は気付いてると思いますが。


長編で書くつもりだったアレシュヴァ連作を諦めました。


理由は公式で過去が語られたからです。すなわちおっさん小説です。
私は公式にはない部分の合間を書くのが好きな人間でして、公式に示された部分は絶対だという原作至上主義なんですね。
たとえばシュヴァーンがシュヴァーンとして公式に過去話として書かれたなら、隙間を付いた小説はどうにか書けますが、読んだ方なら分かるようにあの話だとアレシュヴァで戦前は空想以外の何物でもなく。

なので、それに目を瞑ってアレシュヴァ戦前を書くのは私自身が許せないと判断したので、アレシュヴァ長編は断念しました。
申し訳無い限りです。



代わりに、全てひっくるめたおっさん連作を書こうと思います!
……何も違わないとかは言わない。個人的には全然違うんです!
とにかくダミュロン/シュヴァーン/レイヴンという人間中心で長編じゃないけど連作でお題は消化したいと思います。



因みに原作至上主義なのにトリップはありなのかとかは言わないで(苦笑
原作至上だけど合間に違う事があれば後の流れにパラレルは有り得るよね、という考えなんですよ。
あれでもトリップ以外は原作に沿うように頑張ってるんです。むしろトリップ自体にも原作重視で理由とか考えてあるんです。
結構いろいろ考えてるんだよ……!

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2010'04.28.Wed

レイアウト変更でブログをいろいろいじってたんですが、このブログに記事ごとの拍手機能追加されてたんですね、知らなかった。

なんだかんだでブログ機能追加された時から使ってましたが、増えてく機能とかは全然気にして無かったですよ(苦笑

とりあえず好奇心で追加してみました。
あ、今までのお礼付き拍手はそのままありますよ、……もう少しで短文が完成しそうなんだ、もうちょっとお待ちを。


そういえばPC側ですが、久しぶりにトップページを復活してこれをトップから引っ込めようかとか思ってるんですが、どうなんですかね。
いや、ブログメインには変わりないんだろうけど、絵とか、ここじゃないとこに置いてる物が多いからなぁとか、思ってるんですよね。



とりあえずはマガ文と拍手文書けって話ですよね、わかってます。
でもね、絵を描くのも楽しいんだよ……(苦笑

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