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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2010'01.09.Sat

それは一種の恐怖だったのかもしれない。伸ばした腕が弾かれるという映像が、頭の中で繰り返し流れる。目の前のそれが映像で見たものと同じだったら、とその先が見たく無くて、腕を縮めて目を閉じていた。



責める様な鳶色の目が、じっと自分を眺める。決して言葉を発する事はない。ただその視線だけで、自分を責め立てるのだ。それが、まるであの映像の中と、同じで。
「何が、不満なんだよ?天使サマ」
不機嫌を返すしか、今の自分には出来なかった。

彼には特別な者がいる。それは自分ではないし、なれやしない。彼が腕を優しく掴むのは、俺ではないのだ。
ロイド、と小さく呟く様にその名を呼んだ。瞼の裏で赤い姿がちらちらと映る。爽やかに笑いかける表情が酷く印象に残っていた。彼の大切な者。ロイドがその人であるその事実に何だか泣きたくなって、顔を隠す様に小さく、小さく蹲る。

小さな溜め息が一つ、聞こえた。

その音源は見なくても分かる。きっと彼が呆れた様に吐いたのだろう。そう思うならこんな自分なんて捨て置けば良い。さっさと大切な者を助けに行けば良いのに。
その僅かな優しさが、俺にはとても痛いんだよ。

「……神子、お前が決めた事には私は何も言うまい」
静かに頭上から降ってくる台詞に、俯いたまま唇を噛んだ。顔は見られていない筈。だってこんな惨めな顔を見せる訳には行かない。
「なら、さっさと愛しのロイド君の所に行けば良いでしょーよ」
口だけでもいつもの軽口を紡ごうとするけれど、それは微かに震えてしまっていた。どうか何も気付かないでくれ、と切に願う。
不意に前の気配が動いた。彼が俺の心中に気付かずにこの場を去ってくれたのだろうか。
おずおずと様子を伺う様に頭を上げれば、目の前に紺色は見えない。ただ嫌な位真っ白な壁がそこにあるだけだ。
思わず深い溜め息を吐いた。それが安心から来るものか落胆から来るものか、自分でも分からなかった。
「やっぱり、ロイドが大事か……はっ、当たり前、だよなぁ」
馬鹿みてぇ、とそんな事を呟きながらふらりと立ち上がる。彼が消えた真っ白な扉を一瞥して、こうなったらもう戻れないと渋々身を翻した。

「何という顔をしているのだ」

瞬間、視界に映る紺色と聞き慣れた声。部屋から出て行った筈の彼が、目の前に居た。

「なん、で……」
思いがけない現状にそんな呟きが小さく零れる。彼はいつもの仏頂面に怒りを含んだ様な顔で俺を見ていた。
「お前があまりに本意を口にしないのでな」
「別に、俺は」
あまりに真っ直ぐなその視線に、思わず彼から視線を逸らして口を濁した。気を抜いたら身体が震えそうになる中で、どうにか誤魔化そうと必死に頭を捻る。
兎に角視線を戻さなければ、と無理矢理視線を戻す。すると不意に伸ばされた腕の存在が目に入って来て、思わず反射的にその腕を弾いてしまった。あの映像が、蘇る。
小さな部屋に響く重い音。後に続く沈黙が酷く耳に痛かった。
「……ぁ、」
「………助けを求める事は、決して悪い事では無いというのに」
憐れむ様な視線が突き刺さる。止めてくれ。俺をそんな風に、見ないでくれよ。どれだけ、俺を惨めにするつもりなのか。
「……ほっといてくれよ、お願いだから」
絞り出す様に呟いた台詞は涙混じりになっていて、そのあまりの無様さに笑いがこみ上げてくる始末。それを静かに見つめている彼に、耐えきれず部屋を飛び出した。


「……何やってんだろ、俺」
相変わらず無機質で酷く静かな廊下に立ち尽くしたまま、ぽつりと呟く。自分の手のひらを眺めながら、トラウマって怖ぇな、と苦笑した。

明日に、あの人は動くと言っていた。彼も、ロイドの為に動くのだろう。

その時俺は、きっと。




『傷が増える理由を聞けずに。』
選択制お題より。
配布元:Abandon



遅くなりましたが10万打リクエストのクラゼロです。書き始めから間が開いてしまったので雰囲気がちぐはぐになってしまいましたが、持っていきたい形には出来たと思います、多分。
リサ様、こんなもので宜しかったでしょうか。
リクエストありがとうございました!

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2009'12.21.Mon
同じくメルマガログ10月分。
この時スランプ気味だったので、なんか微妙。




この想いも全て、破り捨てる事が出来たならば、どんなに楽になれただろう。



突然に、呼吸を塞がれ吐息を飲まれる。まるで窒息してしまいそうな、それ。小さな抵抗はその大きな腕に抑え込まれて、意味も無さない。
あぁ、その紅い目が、怖い。
「アレクセイ、様」
息継ぎの合間に小さくそう呟けば、紅い目が細められて薄く笑う。その表情に胸が締め付けられて、嬉しいのに、とても苦しかった。
残酷な現実を突き付けられるその前に、このまま息絶えられれば良かった、と何度思ったか分からない。
けれど、それさえも許してはくれないのだ。
「……何だシュヴァーン、その顔は」
顎を掴んでいた指がぎりぎりと絞められていく。気道が遮られて、ひゅ、と無様に音が鳴った。苦しい。そう思っていても、声にはならずに、また無様に鳴いた。
生理的な涙で次第にぼやける視界。酸素不足で頭がはっきりしなくなってくる。ぼんやりと紅い目を見つめながら、ぱくぱくと口を開いて酸素を求めた。
あぁ、本当に、無様。
意識を失う瞬間、最後に見えたのは、笑う紅い目だった。



ゆっくりと覚醒する意識。周りを見れば殺風景ないつもの部屋。自分以外は誰もいない。
起き上がって鏡を見れば、首筋に薄く残る赤い痕。大きなそれに溜め息が漏れた。
「……これは、隠せないだろうな」
まるで首輪の様なそれは、正に自分が彼に縛られている証。それを指先で撫でながら、諦めにも似たその感情に小さく苦笑した。


本当に、破り捨てる事が出来たなら、ずっと楽だっただろうに。
狂気にも似たこの想いは、未だ消える事無く、存在し続けるのだ。




『甘く苦しい執行猶予。』

選択制お題より。
配布元:Abandon



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2009'12.21.Mon
困るとこういうことするのは相変わらず。むしろ今更上げるのか(苦笑
ということでメルマガログ9月分です。





仲間に頼まれて久しぶりに足を踏み込んだそこは、机の上から溢れた書類達が床にまで散らばって足の踏み場も無い様な状況だった。余りの荒れ具合にどこかの魔導士みたいだな、と呆れの溜め息を吐きながら、床の隙間を探しては少しずつ奥に進む。
「……ったく、本当にここに居るのかよ」
部屋の奥も相変わらずの様子で、仕方無く足を翻そうとすれば、がたり、という物音がして、足を止めた。続けて積み上がった書類が崩れる音が大きく響いた。
「……痛ぁ、あー…やっぱりベッドに積むんじゃなかったかな……て、あれ?」
その崩れた書類の山の中からぼそぼそと聞き慣れた声が聞こえてきた。呆然とその場に立ち尽くしていれば、見上げてきた顔と目が合う。
「……せーねん?」
ぼさぼさの髪に隠れた翡翠色の寝ぼけ眼が、真っ直ぐに俺を見つめていた。


「それでわざわざここまでねぇ……ご苦労なことで」
「依頼のついで、だ。城に寄る仕事が有ってな」
「別に同じじゃないの。……それにしても、驚いたでしょ」
「まぁな、こりゃあリタの家より酷いだろ」
一時的に片付けられたテーブルの上に並べられたコーヒーカップを手に取り、部屋を見渡しながらそう苦笑する。そんな俺の様子に彼も苦笑しながら、淹れ立てのコーヒーに口を付けた。
「騎士団の再編成に結構手間取っちゃってて、あんまりダングレストにも顔出せて無いのよ。だからユニオン関係のもごっちゃになっちゃってさ、この有り様ってわけ」
一口飲んでから、そう言って溜め息を吐く。その表情は疲れ切っていて、いつも見ていた飄々として胡散臭いおっさんの姿とはかけ離れていた。辛うじて服はレイヴンだけれど、ぼさぼさの髪は下ろされたまま、乱れた前髪に片目も隠れていて、それらが表情に相まって更に隊長主席としての彼の姿を彷彿とさせていた。
「その分じゃ休みも殆ど取ってないんだろ」
「今は時間が惜しいからねぇ、仕方ねえわよ」
そう言って誤魔化す様に、いつもの張り付けられた笑みを向けられる。その姿が余りに無理をしていて、それを見ているだけの自分に歯痒くなった。手伝える事は何でも手伝うと言っておきながら、結局は、彼の仕事は彼にしか出来ない事ばかりで、俺達は彼の噂を遠くで聞いているだけだったのだ。
「……なぁ、俺達にも出来る事は、」
「前にも言ったけど、これはおっさんが逃げたツケだもの。青年達の気持ちは嬉しいけど、俺自身で片付けたいの」
ごめんね。と申し訳無さそうに目尻を更に下げながら呟く。その姿にそれ以上何も言えなくて、誤魔化す様に冷えた甘ったるいコーヒーを一気に飲み干した。


「じゃ、とりあえずおっさんは生きてたみたいだし、帰りますか」
「生きてた、って酷いわね」
「あんたが全然連絡寄越さないのがいけねぇんだろ」
「おっさんは忙しいのよ、そんなに俺が気になるならまた来れば良いでしょー」
「そうだな、今度は全員でおっさんの様子、見に来てやるよ」
帰り際に笑いながらそう言えば、彼にはそれが予想外だったらしく目を大きくしながら呆気に取られていた。その姿はやっぱり見慣れたおっさんで、何だか安心してまた笑いが漏れた。
「だから、それまで勝手に倒れるんじゃねぇぞ、おっさん」
「な、何よその言い分っ……」
「おっさんの命は凛々の明星のものなんだろ」
そう言えば、一瞬困った様に固まって、すぐに小さく笑い始める。次第に大きくなるそれに、同じ様に笑みを向けた。
「もう、本当に容赦ないんだから……わかったわよっ、おっさん元気に頑張るから、青年達も必ずみんな揃って元気な顔見せなさいよねっ」
そう高らかと宣言された台詞に、当たり前だろとそう返せば、彼は静かに微笑んだ。その顔に満足して相変わらず書類の散らばる部屋を後にする。

そしてまたこの部屋にみんなを連れて来ないとな、とそう誓って、城を後にした。






『予定は未定で未来は不確定。』

選択制お題より。
配布元:Abandon




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2009'12.21.Mon
本当はグレイセスプレイ日記とか書きたかったのに、何故か見てるだけだから書けなかったんだよとここで言ってみる。

自分で買ったんだよちゃんと。

つまりは同居人に独占されていたという(苦笑
いきなりハードプレイとかへたれゲーマーの私に対する嫌味か!(笑

取りあえず一度クリアして隠しダンジョンプレイしてるのを横から見てます。

ヒューパス良いよねヒューパス。
ヒュバパス?略が分からない……。
パスヒューではないと思うんだ、よ?
でもハロジュの再来にしか見えないこの矛盾。

取りあえずこの二人でなんか書きたい今日この頃。

早く自分でプレイしたいです。


と、その前になんか上げたいとは思うんだ……一応。

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2009'11.26.Thu

クリスマスイラスト完成させました。
久しぶりにアナログで絵の具でぐりぐり塗りました。案の定最終的には汚しましたよ(苦笑

神子んびは大好きなんで描いてて楽しかったけど、どうもゼロス君の体勢がおかしい(汗

取り敢えず、クラゼロとピオジェのリク文とマガ用文とアレクセイアンソロ用文を書かなくては(どんだけ貯めてんだよ


そういえばヴェスのドラマCD5巻買いました。
おっさんが出てこなくて色々焦ったけど最後には出てきてくれてよかったよ……流石にドンの仇は、ね。
最後のあたりなんか私イエレイにしか聞こえなかったんだけど、狙ってるのかしら公式(笑

でも私的アレシュヴァ宣言であるアレクセイさんのあの台詞が変わってたのにはちょっと凹んだ。あれでおっさんに萌え感じたんだというのに(笑

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