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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2009'12.21.Mon
同じくメルマガログ10月分。
この時スランプ気味だったので、なんか微妙。




この想いも全て、破り捨てる事が出来たならば、どんなに楽になれただろう。



突然に、呼吸を塞がれ吐息を飲まれる。まるで窒息してしまいそうな、それ。小さな抵抗はその大きな腕に抑え込まれて、意味も無さない。
あぁ、その紅い目が、怖い。
「アレクセイ、様」
息継ぎの合間に小さくそう呟けば、紅い目が細められて薄く笑う。その表情に胸が締め付けられて、嬉しいのに、とても苦しかった。
残酷な現実を突き付けられるその前に、このまま息絶えられれば良かった、と何度思ったか分からない。
けれど、それさえも許してはくれないのだ。
「……何だシュヴァーン、その顔は」
顎を掴んでいた指がぎりぎりと絞められていく。気道が遮られて、ひゅ、と無様に音が鳴った。苦しい。そう思っていても、声にはならずに、また無様に鳴いた。
生理的な涙で次第にぼやける視界。酸素不足で頭がはっきりしなくなってくる。ぼんやりと紅い目を見つめながら、ぱくぱくと口を開いて酸素を求めた。
あぁ、本当に、無様。
意識を失う瞬間、最後に見えたのは、笑う紅い目だった。



ゆっくりと覚醒する意識。周りを見れば殺風景ないつもの部屋。自分以外は誰もいない。
起き上がって鏡を見れば、首筋に薄く残る赤い痕。大きなそれに溜め息が漏れた。
「……これは、隠せないだろうな」
まるで首輪の様なそれは、正に自分が彼に縛られている証。それを指先で撫でながら、諦めにも似たその感情に小さく苦笑した。


本当に、破り捨てる事が出来たなら、ずっと楽だっただろうに。
狂気にも似たこの想いは、未だ消える事無く、存在し続けるのだ。




『甘く苦しい執行猶予。』

選択制お題より。
配布元:Abandon



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