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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2009'06.15.Mon

19


約束していたというプレセアの解放を済ませ、あの閉ざされた研究室を後にする。宿に向かう足並みの中、彼だけは距離を取って歩いているのが目に入った。先程の会話の中で、彼が教皇と口にした際に微かに辛そうな顔をしたのを知っていたし、元々私はそれを咎める立場には無かった為、敢えて何も言いはしなかった。宿に着く頃には視界に彼の姿は無く、皆も特別気にしてはいないようで、ならばと深く考えもしていなかった。
朝になると、いつの間にか宿の食堂で皆と一緒に食事をしている彼の姿があった。
「朝帰りとは良い御身分なんですねぇ」
「んー、だって俺様本当に良いご身分だし」
含んだ様にそう言うも返されるのは軽口ばかりで、周りも呆れたように笑っていた。そう、これはいつもの光景なのだ。
彼の目に宿る影を周りは気付きもしないのだろう。


取り敢えずプレセアをオゼットに帰すということで、街の側に広がるガオラキアへと向かうことになった。それなりに準備をして何気なく街の出口に向かえば遠くに奴の姿が見えた。
「……、クラトスっ」
横目でロイドが声を荒げて叫んでいるのを眺めつつ、それでも仏頂面を変えない天使様を見る。何で今ここにいるんだ、彼からの話はもう済んでいるというのに。そんなにロイドが心配なのかよ。
そんな事を思いながら睨み付けるが、奴は一切それを無視してコレットに話しかけている。分かってはいるが、何だか虚しかった。
コレットとの問答の後、奴は何事もなかったかの様に立ち去る。ロイドがどこか寂しそうに奴を見ていて、俺はあんな風には成りたくないなと鼻で笑った。
あいつの訝しげな視線には気付きもしなかったけれど。


確かあの山の頂上で見たその天使は彼らの知り合いの様で、一通りの会話の後男は立ち去っていった。その時彼は珍しく寂しそうな表情を浮かべていたが、本人にその自覚があるのかは分からない。
しかしそれは、あの子が周りを見ながら浮かべていたあの表情に、似ていた。



久しぶりのゼロジェゼロです(苦笑
てかログだとジェゼロジェになってたんだ知らなかった(←
ジェイドのターン漸くです。でもやっぱりあまり進まないという。
この間遂に友人にいつゼロジェゼロになるんだと言われてしまいました(苦笑
私の中では十分絡んでると思うん…だ、よ?

拍手でこのシリーズを応援して下さった皆様方、本当にありがとうございます!
まだまだ時間は掛かりそうですが、呆れずお付き合い頂けたら幸いです。


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2009'06.08.Mon


がんがんと叩かれる様な痛みに揺れる意識。地面を蹴る足元がふらつくのは必死で堪えるが、両手に構えた剣を振り上げる時には身体がぐらついてしまう。目の前の魔物がどこか遠くに感じられて、流石にやばいなと、熱にぼんやりと浮かされる意識で考えていた。
「虎牙連、斬……っ!」
みんなに感づかれる前に、早くこいつらを倒してしまおう。そう思って繰り出した技は更に頭をぐらぐらと揺らす羽目になってしまって、思わず着地点で膝を着いてしまう。早く立ち上がらないと。そう思っていても足は言う事を聞かず、そこから動く事が出来なかった。
魔物の雄叫びが随分と遠くに聞こえる。視界はぼやけていて何が何だか分からない。けれど危険だと言う事だけは分かっていた。どうにか顔だけでもそっちに向けようと頭を捻れば。
そこにはルカの顔が、あって。


「スパーダッ!!」


彼の動きが何だか今日はおかしいのには気付いていた。いつもなら素早い動きで技を連携していくのに、今日は何だか動作一つ一つに間があって、禄に連携も繋がっていなかった。どうしたんだろうと彼を見れば、辛そうに息を切らしていて、顔色がとても悪かった。更には技の後に膝を着いて動かなくなってしまう。
まさか、と思って彼の方に行こうとすれば、そのすぐ後ろで魔物が襲いかかろうとしていた。それでも彼が動く様子は無い。急いで近くまで駆け寄って勢い良くその魔物を斬り倒した。
倒れる魔物の横で彼は定まらない視線を泳がせていた。尋常じゃないその様子に名前を叫ぶけれど反応は無い。ゆっくりとこっちを向いたと思えば、そのまま身体が倒れ込んできて、とっさに剣を捨ててそれを支える。
抱き抱えた身体は、とても熱かった。




遠くで声が聞こえた。真っ暗な視界の中で聞こえたそれに促されるように瞼を上げれば、そこに見えたのは二つの人影。
銀色とピンクの頭が俺を見下ろしていた。
「スパーダ兄ちゃんッ」
「大丈夫、スパーダ?」
見つめてくる視線は心配そのもの。そう言えば俺は戦闘で体調が悪くて、それで。
「スパーダ、戦闘中に倒れたんだよ?覚えてない?」
そうだ。目の前の、このルカの顔を見てからの記憶は無い。言っている事と合わせて考えても、俺はみんなの前で倒れたんだろう。
「あー…わりぃな、迷惑かけてよ」
「そんな事思ってないよ、大事にならなかったし、良かった……」
「うち、みんなに起きたって知らせてくるでっ」

ばたばたと慌ただしく部屋を後にする足音を聞きながら、さっきから真っ直ぐ見つめてくる翡翠の瞳と目が合う。やけに鋭い視線が突き刺さってきて、そのらしくない様子に戸惑った。
「おい、ルカ……お前、もしかして」
「怒ってないよ。何も言ってくれなかった事を怒ってたりはしないから」
そう言う声色は変に優しくて、いや確実に怒ってるだろ、と心の中で呟く。口にはしない、と言うか出来ない。その分、心配してくれた事もよく分かっていたから。
「とにかく、今は安静にして熱を下げないとね、ただの風邪だって甘く見てると危険だよ」
そう冷静に症状を判断する様子はまさに医者の様で、そう言えばこいつは医者志望だっけかとぼんやり考える。なよなよしてるようで実はしっかりしてるんだよな。そんな風に思いながらルカの方を向けば。
目の前に、その翡翠の瞳があって。

こつん。

「熱は上がって無い、ね。なんかぼーっとしてたけど、大丈夫?辛いならまた横になった方が……スパーダ?」
「………、っ」
軽く音を立てて触れた額が、そう言って直ぐに離れていく。心配そうに見つめてくる瞳に、顔が熱くなった。
不意の出来事に、心臓の音がやけに煩く響く。それに更に戸惑って、動く事も出来なかった。

「みんな呼んできたでー……ってどないしたん?」
「ちょっと、顔赤いわよスパーダ。あんた大丈夫なの?」

出て行く時と同じ音で、けれど増えた足音が部屋の前まで響いてくる。扉が開くと同時に聞こえてきたのはその台詞。それを聞いた瞬間、固まっていた身体がびくっと震えて我に返る。そのまま隠れる様に毛布を被って背を向けた。
「だめよ二人共、病人の前では静かにしなきゃ。でもスパーダ君の目が覚めて、本当に良かったね」
「ベルフォルマもミルダに感謝するんだな」
背を向けた俺に聞かせる様に言われたその台詞に、何の事だと頭を捻る。毛布を被ったまま続きの言葉を待てば、淡々と続けられたその台詞に、また顔が熱くなった。

「お前が起きるまでミルダはずっと付きっきりだったのだからな」
「僕の事は良いんだ、僕に出来るのはこれくらいだし」

毛布越しに聞こえた照れた様な台詞に、尚更、毛布から出る事は出来なかった。





選択制お題より。
配布元:Abandon




10万打リクエストのルカスパです。定番の風邪ネタですが結構書いてて楽しかったです(笑
リクエスト反映出来てるか不安ですが、どうでしょう。
sawori様リクエストありがとうございました!

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2009'06.07.Sun
菜園に参加された方はお疲れさまでした。私は毎度のごとくバイトでした(苦笑
おっさん関連が沢山あったんだろうと思うと本当にうらやましい限りです。
また通販とかのお世話になるんだろうなぁ……。
イベント自体は冬コミには行ってきましたが、オンリーにはずっと行ってない気がします。確か最後はアッシュオンリーだっけ……。記憶が曖昧だけども。
来年のヴェスオンリーには確実に行きたいですね。参加、は一般だろうけど。
その頃にはPS3版ヴェスも出て映画もやって盛り上がってるんだろうなと思うと今から楽しみで仕方ないです。
これでおっさんオンリーがあったら最高なのに(笑


以下拍手返信です
桐君主様>
あんなアレシュヴァで喜んで貰えて嬉しいです。そんなに誉められるとなんか、照れます(笑
お持ち帰りは大歓迎です。寧ろ是非お持ち帰り下さい!
と言っても日記に載せたままでは持ち帰れないですかね……?
それならなんかお持ち帰り用に考えますね。


他のに関してもリクエスト文ですからリク下さった方はお持ち帰りOKですよ。
まぁ、自分の文が他の所に行くとなるとちょっと恥ずかしいですが(笑

あとでリク一覧にも付け足しておきますね。

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2009'06.05.Fri
とりあえず横に作ってみた。PC側だけですが。
確実にブログサイトへの道を進んでいるような気がしますが、気のせいですよね…(苦笑

ヴェスのドラマCD漸くゲットして来ました!
ザギが強い強い言ってるのがとっても気になりました(そこかよ
あれでユーリに惚れるんだねザッギー(笑

あとはザゴウの屋敷でのユーリとフレンのやり取りがよかったです。
あれですね、闘技場の時のようにこそこそ会話してて可愛いですねほんと。

おっさんは、おっさんでした(笑
まぁしょっぱながはしょられてるのであまり出番が無かったですが。
これからどんどん活躍するものね!

次は今月末には出るんですよね。
結局近くのゲームショップCDショップには売ってなかったのでわざわざアニメ○トまで行って来る羽目になりました。
久しぶりに時間が出来たから行けたんですが、この所ずーっと行ってなかったので、なんかグッズのバサラ色にびっくりしました(笑
チカちゃんの紫タオルにすっごく惹かれたけど、寸でのところで自重しました。あんなの使えないもの、ね。
とにかく、またあそこのアニ○イトに行かないといけないと思うとなぁ。
ま、車の運転好きだからいいんだけどね。

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2009'05.28.Thu


かつかつ、と響く音は聞き慣れた、けれど久しい音だった。その重さは動くには億劫なものだったけれど、今はそれが酷く心地よかった。それはまるで自分をこの地に縛り付けているかの様で。
「シュヴァーン」
貴方の望む私で、再び最期を迎える事が出来るのだから。


薄暗い祭壇の前に立つ赤い影。横には力無くうなだれた姫を添えて、祀られた像を見つめていた。
「ご苦労だったな」
私の足音に気付いたのか、ゆっくりと振り返りそう言う。それに促される様に姫の視線も私に向けられる。驚いた様に顔を歪めて、小さく俺の名を呼んだ。
「勿体無いお言葉です、アレクセイ様」
つきり、と胸に痛みが走る。それに気付かない振りをして、真っ赤な瞳を見つめたまま、彼の前に跪いた。
彼は冷たい薄笑いを浮かべて、私を見下ろす。その突き刺す様な視線に身震いした。
「姫のお陰で漸く鍵も完成したのだ」
そんな私の様子に気付いている筈なのに、何事も無い様に彼は言葉を続ける。いつもよりも饒舌な彼に、あぁ本気で喜んでいるんだな、と分かった。珍しく口元も歪んでいるのがその証拠。
「おめでとうございます」
それを形式ばった言葉で祝福すれば、彼はその歪んだ口元のまま、立て、と一言。近くなる赤い眼に呑まれそうだ。
「そう思うなら態度で示せ、シュヴァーン。使える道具として私の役に立って見せろ」
耳に触れるかという距離まで唇を近付けて、彼は言う。想像していた、いや覚悟していたその言葉に、私が応えたのはたった一言。御意、と、そう応えれば、彼は楽しそうに顔を歪めた。

しかしそれも一瞬。直ぐに興味を無くした様に背を向けて、先程まで眺めていた祭壇に視線を注ぐ。方陣の中の姫はいつの間にか気絶していた。無理もない、極度の恐怖と絶望に晒されたのだ。優しい姫には絶えられなかったのだろう。
そんな彼女を彼は気にすることも無く、祭壇の階段をゆっくりと登っていく。その先に居るのは先程捕らえたばかりの始祖の隷属。睨み付けてくるそれを鼻で笑いながら一瞥する。高らかに笑いながら身を翻した彼と目が合った。
「まだ居たのか、シュヴァーン」
その一言は驚きよりも呆れを含んでいて、何だか泣きたくなった。何で、泣きたいのだろう。彼からの言葉で悲しくなる、なんて。死ぬのが怖い訳では、ないのだ。だって元より死んだ身。今更死に恐怖など。ならば何故、私は。
「お前らしくないな、早く行動に移したまえ」
赤い目が冷たく見つめてくる。そうだ、私は彼に、最期に言いたい事があって。


「アレクセイ様、先逝く事を心よりお詫び申し上げます。貴方を置いて逝く私を、許して下さい」

アレクセイ、と消える様に呟いて、そこを後にした。最期に見た赤い目は、ここ10年間見ていたものと変わりなかった。
じわじわと熱くなる目の奥に、誤魔化す様に何度も瞬いた。最期の最期に、暖かい彼の視線を期待していた自分が惨めで仕方なかった。そんなもの、ある筈無いのに。

結局、死ぬ時はいつも独りだ。

それでも、私が居なくなったらあの人が正気に戻るのでは無いかと、淡い期待を未だ抱いて、剣を握った。






選択制お題より。
配布元:Abandon



10万打フリリクのアレシュヴァです。
あの台詞を言わせたくて試行錯誤したらなんかあんまり纏まらない話になってしまいました(苦笑
桐君主様、リクエストありがとうごさいました!

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