2009'06.15.Mon
19
約束していたというプレセアの解放を済ませ、あの閉ざされた研究室を後にする。宿に向かう足並みの中、彼だけは距離を取って歩いているのが目に入った。先程の会話の中で、彼が教皇と口にした際に微かに辛そうな顔をしたのを知っていたし、元々私はそれを咎める立場には無かった為、敢えて何も言いはしなかった。宿に着く頃には視界に彼の姿は無く、皆も特別気にしてはいないようで、ならばと深く考えもしていなかった。
朝になると、いつの間にか宿の食堂で皆と一緒に食事をしている彼の姿があった。
「朝帰りとは良い御身分なんですねぇ」
「んー、だって俺様本当に良いご身分だし」
含んだ様にそう言うも返されるのは軽口ばかりで、周りも呆れたように笑っていた。そう、これはいつもの光景なのだ。
彼の目に宿る影を周りは気付きもしないのだろう。
取り敢えずプレセアをオゼットに帰すということで、街の側に広がるガオラキアへと向かうことになった。それなりに準備をして何気なく街の出口に向かえば遠くに奴の姿が見えた。
「……、クラトスっ」
横目でロイドが声を荒げて叫んでいるのを眺めつつ、それでも仏頂面を変えない天使様を見る。何で今ここにいるんだ、彼からの話はもう済んでいるというのに。そんなにロイドが心配なのかよ。
そんな事を思いながら睨み付けるが、奴は一切それを無視してコレットに話しかけている。分かってはいるが、何だか虚しかった。
コレットとの問答の後、奴は何事もなかったかの様に立ち去る。ロイドがどこか寂しそうに奴を見ていて、俺はあんな風には成りたくないなと鼻で笑った。
あいつの訝しげな視線には気付きもしなかったけれど。
確かあの山の頂上で見たその天使は彼らの知り合いの様で、一通りの会話の後男は立ち去っていった。その時彼は珍しく寂しそうな表情を浮かべていたが、本人にその自覚があるのかは分からない。
しかしそれは、あの子が周りを見ながら浮かべていたあの表情に、似ていた。
久しぶりのゼロジェゼロです(苦笑
てかログだとジェゼロジェになってたんだ知らなかった(←
ジェイドのターン漸くです。でもやっぱりあまり進まないという。
この間遂に友人にいつゼロジェゼロになるんだと言われてしまいました(苦笑
私の中では十分絡んでると思うん…だ、よ?
拍手でこのシリーズを応援して下さった皆様方、本当にありがとうございます!
まだまだ時間は掛かりそうですが、呆れずお付き合い頂けたら幸いです。
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