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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.11.Sun
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2009'01.21.Wed
シュヴァリタ


溢れ出した血が、目の前の彼の黒髪を赤く染める。
それは筋となって彼の頬を伝い、床へと滴り落ちた。

「リタっち」

聞き慣れた言葉を、目の前の見慣れない彼が、聞き慣れた口調で紡ぎ出す。
愚かにも、あたしの足は震え上がっていて、立ち上がることは出来ない。

不意に彼の腕があたしに伸びてきて、その真っ赤な手で、あたしの肩を掴んだ。
強い力で引き寄せられて、彼の苦しそうな顔が目の前に映った。
耐え切れず目を逸らしてしまう。

「……、ごめんね」

苦しそうに吐き出された小さな声が耳を打つ。
肩にあった指先がずるりと滑り落ちて、あたしは目を見開いた。
目の前には、彼の姿は無い。


崩れ落ちた彼の横で、あたしは呆然と座り尽くすしか、無かった。



レイリタハロウィンネタ


「リタっち」
不意に名前を呼ばれて振り返れば、手のひらに一包みの塊を乗せられた。
「……何よこれ」
「何って、飴玉よ」
「そんなことは分かってるわよ、なんで飴玉をあたしに渡すわけ」
「ハロウィンよ、あれ、知らないの」
「興味ないから」
渡されたばかりの飴玉を彼の手のひらに返せば、困った様にそれを手のひらで遊ばせていた。
「お菓子貰えるのは子供だけの特権なのにね」
「子供扱いしないでよ」
「15はまだ子供でしょ」
そう言うと何か考えているのか、顎に手を当てながら黙り込む。いきなり訪れた静寂に、耐えきれず声を上げようとした瞬間、彼によってその静寂が壊された。
「まぁ、強ち子供でも無いのかもな」
その声と共に手のひらが顔に伸びてきて。

「大人の悪戯、してみようか」


喉まで出かけたその返事は、そのまま彼に飲み込まれた。



(あんたの方が十分大人気無いわ)





ユリレイ酒ネタ


「あらま、珍しいわね」
きぃ、と音を立てて開かれた扉の先には、見慣れた青年の姿。しかし此処は自分の通い慣れた酒場だ。今まで誘っても決して来なかったのに、どういう風の吹き回しだろうか。
「……なんだよおっさん、俺が酒場に来て悪いかよ」
「あらら俺様顔に出てたか」
「ばっちりとな」
そう軽く笑い合った後、彼は隣と同じのを、とマスターに頼む。マスターは表情も崩さず静かに応えていた。
「いいの青年、これ結構強いわよ」
そう言ってからん、とグラスを揺らした。すると青年は不敵に笑って、一言言い放つ。
「なあに、ロックで飲むほどじゃないだろ」
その台詞に俺は凍り付くしかなかった。


俺が一杯飲む間に彼は軽く三杯は飲んでいて、その速さに驚くもそれ以上に、この種の酒をストレートで顔を変えずに飲んでいく事に驚いた。
「ね、ねぇ青年、そんなに飲んで大丈夫なの。明日に響くんじゃ……」
「これでもいつもよりはゆっくり飲んでるんだけどな」
そう言ってまたグラスが一つ空になり、直ぐに出された新しいグラスに手を付けている。
(この子どんだけ酒豪なのよ……)
「それよりもおっさんはいいのかよ、たったそれだけで」
「ほどほどでいいのよほどほどで、お金もあまり無いしね」
そう言えば彼のこの酒の金はどこから出ているのだろうか。これだけ飲んでいれば相当の額になるだろうに。
「青年はお金の方は大丈夫なの」
「あぁ、闘技場での賞金溜込んでるから」
ここの所良く大会に出てると思ったら、そういう事だったのか。旅の資金は増えないからおかしいと思っていたのだ。その使い道が酒だと知ったらリタあたりが激怒しそうだ。
「でもそこまでしてお酒飲んでるなら相当酒場とかに通ってるのよね、おっさん今まで全然話聞かなかったけど」
「誰かと話してても必ずそいつは潰れちまうからな、忘れるんじゃねぇの」
(いや多分それは悔しいから言いたくなかったんだろうよ)
「俺は平気だけど、おっさん潰しちまったら旅に影響出るからな、だから今までは止めといたんだけど。この際だから飲んじまおうぜ、レイヴン」
「い、いや俺はもう良いって…ちょっ、ユーリ」


案の定、目が覚めたらいつの間にか宿のベッドの上だった。






ハロウィンネタとかどんだけ載せるの遅いんだ私(苦笑

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2009'01.20.Tue

「で、結局何だったっていうんですか。あんなの唯のガキじゃないですか」
ルーク、はあの後連れの様子を見るといって何処かへ行ってしまった。慣れた様子で帰る姿にも驚いたけれど、それを笑顔で見送っていた彼の姿の方が、一層吃驚した。唯のガキにそんな態度なんだ、流石の俺でも変だと思ってしまう。そんな困惑した様子の俺を、彼は嘲笑うかのように一蹴して言った。
「お前にはやっぱり分からなかったんだね。全く…クラトスといいお前といい、アイオニトスを飲んでいても所詮は人間でしかないんだな」
蔑んだ様な眼で見られるが、こっちは訳が分からない。
「……どういうことですか」
苦し紛れにそう尋ねると、今度は声を上げて可笑しそうに笑う。
「ふっ、お前は何処までもクラトスと一緒なんだな。僕は面倒は嫌いだから一度だけ言うよ。あれは」


「異世界から来た、人間そっくりの模造品だ」
そう宣言した彼の眼は、歓喜の色を湛えていた。


「異、世界……」
その言葉を聞いた瞬間、引っかかっていたものが一瞬にして取れた気がした。そうだ、ルークと言う名前はあいつが来た時に叫んでいた名前じゃないか。あいつが俺のこの赤い髪に反応したのも、あのガキの色と混同したのなら納得出来る。
あいつはずっとあのルークを探していたんだろうか。わざわざ異世界に飛ぶような真似までして。しかし彼の言う模造品と言う話、あいつの口からは聞いていない。無論、言わなかっただけなのかも知れないけれど。
何故か苛立つ頭に、彼の前だと気付き必死に冷静になろうと息を深く吐いた。その俺の様子に気付いているのか、彼は薄く笑った儘言い放つ。
「お前は何か知ってるのかな、ゼロス」
その声色は台詞とは裏腹に確信を持った音をしていた。全てを見透かす様なそれに、背筋が凍る。冷や汗が流れるのを肌で感じながらも、微動だに出来ずに突っ立って居れば、彼は含んだ笑みを貼り付けた儘、言葉を続けた。
「まあ良い、兎に角あれは僕の監視下に置く事にした。お前には更にあれから情報を引き出して貰うよ、あれは興味深い存在だからね」
そこにはあの優しそうな彼の顔は一切無く、見慣れた冷たい笑みを浮かべた彼が居るだけだった。彼の演技力には本当に驚かされる。多分それが今の俺の元になっているのだろうけど。
「……俺を呼んだのはその為ですか」
「それだけじゃないよ。実はプロネーマから気になる事を聞いていてね、この眼で確認したいんだ」

「それにはお前の力が必要なんだよ」
その冷たい笑みとは裏腹に、頬に伸ばされた指先は思いの外、温かかった。





久しぶりの小説です。取り敢えずこれは書けてたんで載せました。
本当はアレシュヴァが書きたいのに何故か書けず悶々としています(笑
なのに絵はがりがり描いてる始末。
次は漸くジェイドのターンです。……話が進んでないよ本当(汗

てかそろそろマイソロ2が発売してしまうのにまだハーツクリアしてないよ!
いや多分もうラスダンなんだよ、でもサブイベが多いんだよ!
回収しきれないよ……。

あぁ、そういえば。
ハーツ兄妹の訛りは最高ですよね(笑

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2009'01.09.Fri


ユリレイユリです多分。練習練習。
なぜかじまんぐ全集聞きながら描いてました(笑
ちなみにその前は中の人のキャラソン聞きながらゼロス君描いてましたよ。
レポなんて知ったこっちゃねぇ(待て

そういえば未だにリバ表記ってどっちが正しいのか知りませんよ私。
ユリレイ好きのリバ有りってユリレイユリなんですかねそれともレイユリレイなんですかね。
昔ピオジェピで聞いた気もするんですがさっぱり忘れてしまった…(苦笑
まぁどっちも好きなら別にどっちでも良いかとも思ってますけどね。

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2009'01.09.Fri


いつも見てくれてる方は分かってると思いますが。
私の絵柄は安定しない。寧ろもう違う人物が描いてるんじゃないかと言うくらい(現に言われた事あるのを実は今でも引きずってたりする←
取り敢えずもう絵柄は無視して色塗りを試行錯誤してみてる。
目が女の子だとしても多分これシュヴァだと思うんだきっと。
つか細目でかっこよくとか何で描けないんだろう(苦笑

レポート何それおいしいの状態でこれ描いてる私もう駄目駄目だな。

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2009'01.03.Sat

「………、流石に気が滅入るなこれは」
目に入るのは人、人、人ばかり。まるで蟻の大群の様に蠢いている。いつも以上に人が多くなっているダングレストの広場には、様々な露店が店を構えていた。カロル曰く、新年祝いの祭のようなものらしい。偶然にも補給の為に街に立ち寄った俺達は折角だからと見て回ることにしたのだ。
けれどいざ向かえばあまりの人の多さに身動き一つ取れない様な状態で、早々に気疲れしそうだった。カロルやレイヴンは慣れているのか、それなりに楽しんでいるのが遠目で見える。
「ユーリっ見て下さい、うしにんだるまですっ」
いきなりぴょこんと現れた桃色が抱えるそれは白くて丸い人形で、見たこともないものだった。それを嬉しそうに抱えているエステルの姿に首を傾げる。
「こんな変な人形がどうかしたのか」
「ユーリ、だるま見たこと無いんです」
きょとんとした顔で見上げながらそう言われて、再度記憶を探ってみたがやはり思い付く物はない。
「残念ながら、な」
「だるま、年始めなどによく売られる縁起を担ぐ人形。特にダングレストを中心に広まっている、です」
「へぇ、俺は帝都から出たこと無かったから知らなかったんだな」
「私も本でしか見たこと無かったんです、まさかこの目で見れるなんて夢みたいです」
そう言われて改めて見れば縁起が良さそうにも見えなくはない、と思う。エステルからすればうしにん型は特に珍しいから目に付いてしまったらしいが。
他にも色々と珍しい物が売っているらしく、目を輝かせながら店を回る彼女を微笑ましく思いながら眺めていれば、背後から掛かる聞き慣れた声。
「楽しんでるかい、青年」
「ぼちぼちな」
振り向きながらそう答えれば、目の前には想像通りの人物がいた。遠くで街の人達と話していたと思ったが、いつの間にか近くまで来ていたらしい。
「それにしては珍しく疲れてるっぽいけど」
「こんな凄い人混み滅多に無いからな、慣れてねぇんだよ」
「……まぁ、ザーフィアスの年越しは静かに過ごすのが普通だからね、おっさんも最初は戸惑ったもんよ」
そう言いながらも軽々と人混みをすり抜け、少し人の引いた静かな場所に辿り着く。その移動の間に取ったのか、両手には何か飲み物が握られていた。
「この辺ならちょっとは静かだし良いでしょ。これ、この辺の名物なんだけど飲むかい、青年なら好きだと思うわよ」
「何だよ、これ」
「甘酒っていう祝い酒よ、青年好きでしょ甘いの」
渡されたものを見てみればそれはとろりと白い酒で、甘い匂いが漂っていた。飲んでみればそれは随分と甘くで美味しかった。酒にしては甘過ぎるかも知れないが、俺には丁度良い甘さだ。これは癖になるかもしれない。
「美味いな、この酒」
「良かったらこれも飲むかい、俺様の分まで貰ったけど俺様甘いの苦手だし」
「サンキュ、おっさん」
差し出された酒を快く受け取って飲めばやっぱり美味い。これは一瓶くらいは買っておきたいな。この人混みを戻るのを考えると少し滅入るがそれ以上の価値はあるとみた。
「青年ってほんと、甘いものと酒が好きねぇ。俺様の常識じゃ考えられないわよ」
どうやら顔が緩んでたらしく、呆れたように呟きながらおっさんがこっちを見ていた。その視線に流石に気恥ずかしくなって顔を背ければ、更には笑われる始末。
「………、笑うことはねぇだろ」
「あー…ごめんねぇ、青年が何だか可愛くって」
けたけたと笑っている彼の姿は年上だと思えない程可愛くて、何となく、ただ何となく、キスをした。
「っ、ちょっと青年いきなり過ぎっ、てか甘っ」
目を見開きながら口を拭う彼をちょっと寂しく想って、更に深く舌を絡めれば飲みきれなかったんだろう唾液が喉元を伝う。舌を這わせてそれを舐めれば少し甘い気がした。
「……ね、ねぇ、せーねん酔ってる、でしょ」
「俺はこれ位じゃ酔わねぇよ、おっさんが可愛いのがいけないんだって」
「確実に酔ってるっての、それは。………はぁ、もう良いわ」
文句を言いながらもゆっくりと伸びてくる腕を掴んで首に回した。幸い周りに今は人が居ないし、このまま勢いだと思った矢先。
「あ、ちょっと待って」
そう言われて腕を突っぱねられた。
「何だよ良いところだったのに」
「このままだと忘れそうだから言わせてもらうわ」


「明けましておめでとう、ユーリ」
今年も宜しくお願いするわね。そう笑顔で言い放つレイヴンはあまりにも可愛くて、返事をするのも忘れて惚けてしまう程だった。




選択制お題より。
配布元:Abandon





取り敢えず帝都は海外、ダングレスト周辺は日本にして書いてみました。
なんで頭にエステル出てくるのか本当分からない(苦笑
遅くなりましたが、年賀文とさせて頂きます。

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