2009'01.20.Tue
「で、結局何だったっていうんですか。あんなの唯のガキじゃないですか」
ルーク、はあの後連れの様子を見るといって何処かへ行ってしまった。慣れた様子で帰る姿にも驚いたけれど、それを笑顔で見送っていた彼の姿の方が、一層吃驚した。唯のガキにそんな態度なんだ、流石の俺でも変だと思ってしまう。そんな困惑した様子の俺を、彼は嘲笑うかのように一蹴して言った。
「お前にはやっぱり分からなかったんだね。全く…クラトスといいお前といい、アイオニトスを飲んでいても所詮は人間でしかないんだな」
蔑んだ様な眼で見られるが、こっちは訳が分からない。
「……どういうことですか」
苦し紛れにそう尋ねると、今度は声を上げて可笑しそうに笑う。
「ふっ、お前は何処までもクラトスと一緒なんだな。僕は面倒は嫌いだから一度だけ言うよ。あれは」
「異世界から来た、人間そっくりの模造品だ」
そう宣言した彼の眼は、歓喜の色を湛えていた。
「異、世界……」
その言葉を聞いた瞬間、引っかかっていたものが一瞬にして取れた気がした。そうだ、ルークと言う名前はあいつが来た時に叫んでいた名前じゃないか。あいつが俺のこの赤い髪に反応したのも、あのガキの色と混同したのなら納得出来る。
あいつはずっとあのルークを探していたんだろうか。わざわざ異世界に飛ぶような真似までして。しかし彼の言う模造品と言う話、あいつの口からは聞いていない。無論、言わなかっただけなのかも知れないけれど。
何故か苛立つ頭に、彼の前だと気付き必死に冷静になろうと息を深く吐いた。その俺の様子に気付いているのか、彼は薄く笑った儘言い放つ。
「お前は何か知ってるのかな、ゼロス」
その声色は台詞とは裏腹に確信を持った音をしていた。全てを見透かす様なそれに、背筋が凍る。冷や汗が流れるのを肌で感じながらも、微動だに出来ずに突っ立って居れば、彼は含んだ笑みを貼り付けた儘、言葉を続けた。
「まあ良い、兎に角あれは僕の監視下に置く事にした。お前には更にあれから情報を引き出して貰うよ、あれは興味深い存在だからね」
そこにはあの優しそうな彼の顔は一切無く、見慣れた冷たい笑みを浮かべた彼が居るだけだった。彼の演技力には本当に驚かされる。多分それが今の俺の元になっているのだろうけど。
「……俺を呼んだのはその為ですか」
「それだけじゃないよ。実はプロネーマから気になる事を聞いていてね、この眼で確認したいんだ」
「それにはお前の力が必要なんだよ」
その冷たい笑みとは裏腹に、頬に伸ばされた指先は思いの外、温かかった。
久しぶりの小説です。取り敢えずこれは書けてたんで載せました。
本当はアレシュヴァが書きたいのに何故か書けず悶々としています(笑
なのに絵はがりがり描いてる始末。
次は漸くジェイドのターンです。……話が進んでないよ本当(汗
てかそろそろマイソロ2が発売してしまうのにまだハーツクリアしてないよ!
いや多分もうラスダンなんだよ、でもサブイベが多いんだよ!
回収しきれないよ……。
あぁ、そういえば。
ハーツ兄妹の訛りは最高ですよね(笑
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