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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.11.Sun
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2008'09.12.Fri
親衛隊に見張られた異常な病室から漸く出れたのは終戦から1週間も経ってからの事。この左胸の魔導器について一切他言しないと、また変わらぬ忠誠を誓えと強要されて、そうしなければここから出さないと脅されていた。あの方を疑いたくはないが、状況は全て異常だった。忠誠など誓える筈も無かったが、終戦からの情報を全く聞くことが出来ない状況は不安で仕方が無かったのだ。仲間は部下は本当に生きていないのだろうか。彼女は、キャナリは無事なのだろうか。考えればきりが無かった。仮初めの忠誠を誓う事で、念願の外に出ることを許されたのだ。
「ではお前の目で、全てを見てくればいい」
部屋を出る際のあの方の薄笑いだけは、何故か気になって仕方が無かった。

情報を得るために騎士団本部に向かえば、擦れ違う者全てに奇妙な目で見られた。生きていたのか、と声を掛けてくる者もいた。嫌な考えが頭を巡る。それを振り払うかのように足早に情報部の扉を潜った。
「………では、あの部隊で生き残ったのは私だけ、だと」
そこで聞いたのは最も聞きたくない内容だった。あの場所にいた者で生きていた者はいない。後援の部隊が辿り着いた時には全員が事切れていた、と。私自身もアレクセイ隊に保護されていると情報が入るまで死んだのだろうと思われていたのだ。別部隊だったキャナリも、崖の下で遺体が発見されたと言う。

まるで生きている心地がしなかった。私だけが唯独り生き返り、取り残された。あの状況で唯一生き残ったという事実が私の地位を一部隊長から小隊長へと変えさせたが、それは更なる孤立を生むだけだった。中には私が部下を捨ててアレクセイ隊長の元に逃げ込んだのだろうと言う者もいた。彼に忠誠を誓ったという事実がそれを裏付けてしまっていた。

「全てを見た感想はどうだったかな、シュヴァーンよ」
彼があの時振りに声を掛けてきたのは、私が孤独に押し潰されそうになっていた時だった。あの時と同じ薄笑いを張り付けて、彼は私の部屋に入ってきた。
「苦渋の思いで忠誠を誓った割には、酷い答えしか得られなかっただろう」
可笑しそうに笑う彼に、私は踊らされていたのかと思うととても悔しい気持ちになった。誰のせいでこんな事になったと思っている。
「……あなたは、私を生き長らえさせて何がしたいと言うんですか」
あの時あのまま仲間と共に死なせてくれていれば、この様な苦しみを受けずに済んだのだ。それなのに、何故。
「お前の力が、私には必要なのだよ」
切羽詰まった様にそう問い掛ければ、返ってきたのは酷く優しい響き。錯覚しそうなその甘さを振り払う様に、声を荒げる。
「何故私なんだ、私はこんな結果は望んでいない……」
「ならばもう死んだと思えばいい」
取り乱す私を冷たく一瞥して、彼は一言予想もしていなかった台詞を吐いた。あまりのその言葉に何も言えずに居る私を無視して彼は続ける。
「何も考えず私の道具としてだけ存在していれば、こんな些細な事に苦しむ必要もない」
死にたかったんだろう、と薄く笑われて息を飲む。こんな事認めるわけにはいかないと頭では叫んでいるのに、伸ばされた手が何故こんなにも魅力的に見えるのだ。
「他の奴らとは違って、私はお前を必要としているのだよ。私の元に来い、シュヴァーン」

甘く囁かれる台詞がゆっくりと脳に浸透していき、気が付けば私は、伸ばされたその手をしっかりと掴んでいた。







これなんてヴァンアシュだよ(笑
最初に書いたアレシュヴァの続きみたいな話。寧ろこれ連載したいほどなんですが。
甘い、とは言い難いですよね(苦笑
こんなんでよかったでしょうかね。

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2008'09.10.Wed
建物の端、長い廊下を渡った先に冷たく湿った暗いその部屋はある。その一番奥の囚人を閉じ込める為の鉄格子に囲まれた空間で、彼は固いベッドの上で横たわっていた。頑丈な錠の付いた扉に手を掛ければ、鍵は開いていたらしく金属音を立てながら簡単に開いた。そのままベッドの横に立つと、漸く閉じていた瞳を開けて彼は口を開いた。
「どうしたのよ、わざわざこんな所に」
「心臓の魔導器を見に来たわ」
そう用件をはっきり言えば、少し驚いたのか微動だにしていなかった身体を少し揺らして起き上がる。訝しげな顔でこっちを見ながら、困ったように言葉を続けた。
「……エステル嬢ちゃんの事で調べものしてんじゃなかったのかね」
「そうよ、だから早く魔導器見せなさいよ」
「いやいや、おっさん意味が分かんないんだけど」
「うだうだうるさいわね、剥くわよ」
「分かったから、それは勘弁してほしいわ」
反論を諦めたのか渋々上着を脱ぎ始める。直ぐに晒された逞しい胸元にはやはり不自然に魔導器が蠢いていた。制御パネルを呼び出してみれば、そこは普通の魔導器と変わらないようで、複雑な術式が空間に浮かび上がる。
「解析するから邪魔しないでよ」
術式越しに彼の顔を見ながら意識は術式に集中してパネルを操作していく。最初は何か言いたげだったが、結局何も言うこと無く、部屋には操作音と独り言だけが響いた。
「………やっぱりこの術式で生命エネルギーを動力に変換してるのね、でこっちの術式で心臓の、つまりポンプの働きを制御してる……あの子の場合はエアルの調整だからそこは宙の戒典の術式にしないと、でもこの術式とあの術式を同時に組み上げるとなるとまた別の術式が必要になるか……待って、この術式だと生命エネルギーを取り入れるのに、体内に入れないと無理だから、あの子の武装魔導器を元には出来ない……でもそれじゃああの子に負担が掛かるし、やっぱりこれでも駄目か………」
「なぁ、リタっち」
「何よ、邪魔しないでって言ったでしょ」
考えに耽っていると不意に彼が術式越しに声を掛けてくる。急に集中を切らされて苛つきながら彼の顔を見れば、随分と真剣な顔をしていた。
「………、魔核を皮膚に触れさせれば生命エネルギーは取り込み可能なんだって、さ」
そこから発せられたのは先程まで悩んでいた事の解決策だった。予想もしていなかったその言葉に、今迄の独り言を全て聞かれていたのかと思うと急に恥ずかしくなる。それを誤魔化すように早口で言葉を続けた。
「え……、それを早く言いなさいよ。でも、それが本当ならあの子の武装魔導器でも……」
開いていた解析画面を全て閉じ終えて、瞳を閉じて頭の中で必要な術式の理論を組み立てていく。どうにか形になる術式が出来そうだと、一息吐いて漸く瞳を開けば、先程と変わらない真剣な表情をした彼が、目の前にいた。
「嬢ちゃんに、俺と同じ魔導器を付けるつもりなのね」
「……仕組みだけよ、あんたがそれが出来るって言ったんじゃない」
「まぁ……言ったけど、ね。いいのか、嬢ちゃんが外に出られなくなっても」
気に掛けていた事を彼も気付いて居たようで、まるでそれを良しとする事を咎めるかのように、いつもとは違う鋭い口調で言われる。その眼差しが、痛い。
「………しょうがない、でしょ。それしか方法が無いんだもの」
「でも嬢ちゃんは無理にでも行くって言いそうだけどね」
「それでも、あたしが絶対止める。……あの子にもう辛い思いはさせたくない」
あたしだって散々悩んだのだ。だからもしこの方法が駄目なら、また違う方法を探す事が出来ると、少しの可能性も考えてここに来た。やっぱり思っていた通りの結果になったけれど。
「……まぁ、最善の方法がそれしか無いなら仕方ないわな。でもさ、リタっち」
俯いていた頭を上げられ、再び視線が交わる。とても綺麗な翡翠色が優しく笑っていた。
「エステル嬢ちゃんの心配する前に、まず自分の心配しないとな」
そう言って不意に伸びてきた指先で目元を優しく撫でられた。いきなりの事に息を飲む。けれど、その指先は何だか心地良くて、何だかとても気恥ずかしくなった。
「な、な、なにするのよ」
「隈、結構酷いぜ、あんまり寝てないんでしょ。リタっち、無茶し過ぎ」
「………、その台詞まんまあんたに返すわよ」
「何よリタっち、俺様の事心配してくれてたのね。おっさん嬉しいわ」
腕を振り払えばいつもと同じ調子で茶化したような口振りが返される。それに呆れつつも、何だか安心して力が抜けた。
「………なんか馬鹿らしくなってきた。あたしもう戻るわ、術式完成させないといけないし」
「もう戻るのかい、寂しいわねぇ。おっさんもう少しリタっちと一緒に居たかったわ」
扉に手を掛ければそんな台詞を背後で吐かれる。呆れたように溜め息を吐いて、もう一度振り返った。
「明日だって一緒でしょ。馬鹿な事言わないでよ」
「そうね、おっさんもこの身体で頑張ってるし………エステル嬢ちゃんだって同じだと思うけどな」
笑みを浮かべた表情のまま、含みを持った言葉を言われる。その笑みが諭すような雰囲気を持っていて、その示す先が簡単に解ってしまう。
「もう少し信じても良いんじゃないの」

その言葉を背後に聞きながら、あたしは逃げるように部屋を後にした。




(信じてない訳じゃない。でもあんたの苦しそうな姿を見る度、不安になって仕方ないのよ)







一番書きたかったのはあのリタの独り言だったりします(笑
取り敢えず術式とはパソコンのプログラミングみたいな感じかなぁと勝手な解釈して書いてみました。いろいろ詰め込んだ感は否めない。
リク下さった方、こんなレイリタでよかったでしょうか。
まだリクは受け付けてますので、よかったらどうぞ拍手などに一言下さいませ。

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2008'09.07.Sun
その姿はとても綺麗だった。
それはまるで刻々とその姿を変える、あの空のように。

真っ赤に舞った彼の血が、一面を赤に染めていく。きらきらと舞って消えていく橙色が酷く幻想的だった。力無く倒れていく彼の姿がゆっくりと見え、思わず受け止める。思ったよりは重くなかったけれど、何故かとても重かった。
「な、んで……」
赤い髪に血の気を失った肌の白が酷く映えて、ぞくりと鳥肌が立つ。震えながら発した言葉に返されたのは、とても綺麗な笑みだった。
「終われる、から」
それは今迄に見た事も無いほど綺麗な笑みで、酷く寂しげな笑みだった。彼がこんな寂しげな表情をするとは思いもしなかった。いつも明るく振る舞っていて。
なぁ、俺はお前のこと何も解ってなかったのか。
「………ねぇ、ロイドくん、俺の最期の望み、聞いてくんねぇ、かな」
苦しそうに息を吐きながら、絶え絶えにそう言う彼に、泣きそうになる。弱々しく腕を掴んだ手のひらは、冷たい。導かれたのは、彼の。
「お前の手で、俺を、終わらせて」
なぁ、お前の顔が歪んでよく見えないんだ。

ゆっくりと姿を隠す翡翠の瞳に、力無く落ちていく腕。俺の手のひらはその胸元に添えられたまま。静寂が辺りを包み込む。
「馬鹿、野郎……」
彼の胸元で小さく光るその石に静かに切っ先を突き付けた。身体はこれ以上傷付けないように、注意を払ってゆっくりと力を込める。

ぱきり、と小さな音を立てて、その石は割れた。中からきらきらと橙色が零れ落ちて、やがて、消える。


彼の最期は、まるで刻々と変わる空のようにとても綺麗で、儚くて、とても。
残酷だった。






流れを読まずにロイゼロです。
デカダンお題始めた当初からこの題はロイゼロでゼロスの最期だと決めてました。
ただここの所ヴェスに偏り気味なので、万が一この題をヴェスで使ったりしないように先に書いちゃいました。
まあもう残りも10切ったし、良いでしょ。

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2008'09.06.Sat
気が付けばそろそろでしたので、今回はV人気の流れに乗ってリクエストでも募集しようかな……とか思ったり。
取り敢えず6万越えるまでに集まったものを消化していこうと思います。
つまり集まれば頑張り、集まらなければ今まで通りということです(笑

リクエストは拍手かメルフォで、匿名可でサイト内にあるCPならなんでもという感じで如何ですかね。



まあ当分バイトも無くなるし、頑張れるだろう。
ということでリクエストお待ちしています。

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2008'09.05.Fri
今更ですがレイヴンって甘いもの苦手なんですよね。まあ酒も好きそうだしそれはしっくりくるんですが。

私のデータ何故かレイヴンデザート系だけ全てマスターしてるんですが(笑

TP消費がとっても激しかったのでずっとレイヴンで作らせてたんですよねぇ。
本当ならこれ虐めですよね(笑

ごめんよ、おっさん。

それもあって一番料理が上手いのもレイヴンだったりします。
これも全て愛故さ!




この間バイト先でテイルズの話になり、キャラ萌の話になりましたが(何やってるんだよ(笑

女の子が可愛くて何が悪い!?
リタの可愛さ半端じゃないし、ジュディスの年下と思えないお姉さま振りが素敵じゃないか。あれでユーリより若いんだぜ?(笑
でもさ、年齢を細かく気にするのって高校で終わると思うんだ(苦笑
つまり19も21も変わらねえって。


それはさておき。
うさ耳ねこ耳の破壊力といったら。
でもおっさんの目隠しの方が犯罪級だけどね!!(爆笑

テイルズはキャラゲーだもの。それは否定しないさ。



取り敢えず大台の100Lvまでいったら2周目行こう。
夏休みは長いんだ、まだまだ頑張ろう。

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