忍者ブログ

日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.11.Sun
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008'04.30.Wed
ぐちゅり、と嫌な音を立てて突き刺さる爪が、手のひらの肉をえぐり出していく。じくじくとした痛みと共に熱を発している。溢れ出した血が爪を真っ赤に染めるがそれが止まることはない。
痛いな、とまるで他人ごとのように眺めていれば不意に腕を押さえられた。
「何してんだ、この馬鹿が」
ずきずきと痛む頭でぼんやりとしながら声のほうを向けば、茶色の髪が目に入る。お節介な顔が慌てた顔をしていた。
「ロックオン、邪魔を…」
「その口調はハレルヤだな」
睨み付けてくる視線は俺を咎めるものばかり。何も知らないお前が俺達の何を知る。
手のひらの痛みは麻痺して来たのか、ただ手のひらが熱くて、真っ赤だった。掴まれた腕を振り払ってまた傷に爪を突き刺す。じくじくとした痛みが再びぶり返してきた。
「止めろ、ハレルヤ」
「うるせえよ、何も知らねえ癖に俺達に干渉するんじゃねえよ」
苛々しながら怒鳴りつければ、俺の剣幕に息をのむ。舌打ちして傷に集中すれば、頭の奥で泣き声が聞こえた。
(ごめん……ごめんね、ハレルヤ)
(何でお前が謝るんだ)
(………ごめん)
(泣くなよ、アレルヤ)

「泣くなよ、ハレルヤ」

気が付けば真っ赤に染まった手のひらは奴の手の中にあって、丁寧に傷を舐められているところだった。
血の味はやっぱり良いもんじゃないな、と苦笑しながら、更に舌を進める奴に呆気にとられる。
「は、何言って」
「何でこんなになるまで我慢するんだ」
言われた言葉の意味が分からない。俺は泣いてないし我慢もしていない。奴は頭がどうかしたんじゃないかと思わずには居られない。
「だから言ってる意味がわからねぇよ」
呆れながらそう呟けば驚いたように俺の顔を見て、悲しそうな顔をした。まるで俺を哀れむような、そんな顔だ。
ずきずきと頭が酷く痛む。今は誤魔化せないその痛みに唇を深く噛んだ。
「だから、止めろって言ってるだろ」
溜め息を一つ静かに吐いて、奴は赤く染まった俺の唇に舌を這わした。そのまま血を吸うように食い付いて貪られる。
じゅるり、と啜るような音の後、間に糸を引きながら唇を離した。
「………、吸血鬼」
「は、意味が分からないんだか」
「だからそれはこっちの台詞だって、の…」
俺の血が奴の唇に付いて真っ赤に染める。なんだかんだ言って整った顔の部類に入る奴の顔にまるで紅を引いたようで、不本意だが綺麗だと、思ってしまう。血の味なんて不味いだけの代物だが、今ばかりは良かったとさえ。
「ハレルヤ」
「………、なんだよ」
真摯な響きで呼ばれた自分の名に、惚けていた意識を引き戻される。さっきまでの自分に恥ずかしくなって、ふてくされたような返事を返した。
「辛くなったら頼って良いんだぞ」
見つめてくる翡翠の瞳に映るのはなんて無様な顔。ああ確かに辛そうな顔してるぜ。
「………、馬鹿みてぇ」
呆れたように返した返事は奴の苦笑を誘うだけで。お前が思ってるのとは違うんだがな。まぁ敢えて言うこともないだろ。

あれだけ酷かった頭痛は今はもう消えた。





最初はグロい作品を書こうとしてた気がします。
でも結局はいつものような感じになりました(苦笑

内容が説明不足だけど、まあ敢えて説明しないということで。

拍手[0回]

PR
2008'04.22.Tue
絵柄が全く違うのはいつもの事です(苦笑
これ全部一回の授業で描いた奴なんですが面白い位00ばっかり。

何やってんだろうねほんとに(笑



拍手[0回]

2008'04.22.Tue
爆風で舞い上がった埃に顔をしかめたのは覚えている。直後に酷い鈍痛を浴びたのも。けれど、その後は分からない。
気が付いたら自分はこの白い世界に居たんだ。


ぼんやりとする頭で何も分からないまま、白い服の男に腕を引かれて連れてこられるのは、いつも不気味な機械の前。言われるままに繋がれて視界は真っ暗。酷い頭痛と酷い吐き気に襲われるまであと数秒。
白い地獄は此処から始まる。



一瞬にして開かれた視界に映る白い空間。何処までも続くそこにいるのは白い塊。手を伸ばそうとすれば手のひらにはずっしりとした重みがある。
気が付けば己の腕はそれを白い塊に向けて放っている。
白い空間に赤が舞う。
そして、再び。
(狂ってる。この連中も、この世界も)

塊から噴き出した血が空間を真っ赤に染める頃、出来た血溜まりに映るのは自分の姿。それは頭から真っ赤に染まっている。
(この俺も、みんな、狂ってる)

赤く湿った髪の隙間から、気味の悪い金色の眼が覗いていた。



そしていつもの様に視界は闇に戻る。
瞳を開けば目の前には不気味な機械があった。





機械で精神的に痛めつけるとか研究所はやってればいい。
でもどうなんだろう(苦笑

拍手[0回]

2008'04.20.Sun
噎せ返る血の匂いに吐き気がしそうだった。口元を抑えればぬるりとした感触が指先を襲う。恐る恐る手のひらを見ればそこは真っ赤に染まっていた。
「な、んで……」
それに応える声はない。半身は深い眠りに落ちている。
「護ってくれるって、言ってた、のに」
真っ白な箱の中は真っ赤に染まっている。見上げた場所からガラス越しに拍手が聞こえた。
神を讃える声が煩い。こんな狂った世界に神なんて居るもんか。こんな赤と白の世界に。


血に濡れた赤い手から滑り落ちた拳銃が床にぶつかって、箱の中を悲しく反響した。


遠くで響く狂った賛美歌の余りの酷さに、目を瞑って意識を閉じた。


彼が、気付いてくれることを、信じて。




過去編1とか名打ってますが別に時期が古い順という訳じゃありません。
なんかこの後の流れで混乱させそうなので一応注意。
今更ですが超捏造です。

拍手[0回]

2008'04.18.Fri
目の前が真っ赤に染まって意識が中に沈んでいくのが分かる。アレルヤの叫び声が遠くに聞こえた。
くすんだ視界にあの女の顔が入る。駄目だ。頭がいてぇ。ぼんやりし始める意識の中で奴の問い掛けが響く。

『………これで良かったの、ハレルヤ』
『良いんだよ、これで、良かったんだ………アレルヤ』

そう答えたら、視界がぐらりと揺れた。意識を保つのが難しい。俺も、終わりか。残った力を振り絞って、最後に一言だけ、アレルヤに言う。
「先に、逝ってるぜ」
裏切ってごめんな。と頭の中で呟いて。


視界を、閉じた。


弱々しく呟かれた俺の名が、最後に聞いた、アレルヤの声だった。




本編沿いのアレハレのIF話。ハレルヤメインです。
順序はぐちゃぐちゃですがアレハレ過去編から色々書けたらいいな。
何がIFなのかはゆっくりと解るようにしたいです(苦笑

因みに、どれだけ続くかは未定。書きたくなったら書いていきます。

拍手[0回]

[53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63
«  BackHOME : Next »
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事

日記兼短文落書置場..........。 wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]