2008'05.10.Sat
なんと古いパソのほうにこれが眠ってました。
日付は2004年12月13日。
…3年以上前(苦笑
やっぱりここはあえて一切直さずに載せます(笑
静かな部屋に煙る息苦しい匂い。
それを発する紫煙が静かに立ち上っていく様はまるでか細い人の命のよう。
その様を眺めていると現実から逃れていけるような気がした。
ゼロスはそれを見ながら口に咥え肺まで深く煙を吸い込み、吐いた。
このたびが始まってから何ヶ月ぶりだろう。こうやって煙草を吸ったのは。
元々メルトキオにいたときも人前で吸う事はセバスチャンに禁じられていたし、実際ほとんど吸う事はなかった。
けれど時々、無性に吸いたくなる時がある。
理由は今でも分からないが、その時には隠れて一人で吸っていた。
だから今も旅を共にする仲間から離れて、部屋で一人で吸うつもりだった。そのつもりだった。
ふー、と静かに鼻から煙を吐いたとき、勢いよくドアが開けられた。
「なーゼロス、起きてるよな・・・ってお前煙草なんか吸ってたのか!?」
驚愕を含む声。そうだろうなぁ、俺今までそんな素振り見せたことないし。
「なーによロイド君。俺様が煙草吸ってちゃ悪いワケ?」
そんな軽口を叩きながら、口に持っていっていた煙草を離す。紫煙が、揺れた。
「別にそんなことねえけど・・身体に悪いからあんまり吸うなよ」
「分かってるって。ロイド君に説教はされたくないなぁ」
どうせお前には関係ないだろ、俺がどうなろうと。
もう一度口に咥えて、煙を吐いた。ロイドの顔が煙たさに歪んだ。
なんとなくむかついたから、窓辺に移動して窓の外に顔を向けて、それでも吸うことはやめない。
「なぁ・・・もうそろそろやめろって」
背後から聞こえる、ロイドの叱咤の声。だからどうして俺に構うんだ。
「ロイド君には関係ないでしょーよ。何でそんなに怒るのよ」
全く、いい迷惑だ。煙が嫌なら部屋から出れば良いじゃねぇか。
「だって、お前辛そうだぞ。そこまでして吸う必要ねえんじゃねえの?」
しょうがないでしょ、煙草ってそういうもんなんだから。と振り向いて言いかけたら
「お前今にも泣きそうだぞ」
動きが止まった。
泣きそう?俺が?そんなことはないはずだ。だって俺は人前じゃ絶対そんな素振りは見せない。
「何言ってんのロイド君。俺様が何で泣かなきゃいけないのよ」
極めてふざけて答えた。手にしていた煙草の紫煙が揺れる。
一時の沈黙の後、ロイドが口を動かした。
「・・・・わかってねえならもう良いぜ。俺は戻る。皆には部屋に寄らないよう言っておくよ、みんな煙草嫌いだろうし」
そういってロイドは部屋から出て行った。
扉が閉まる間際、サンキューロイド君、といいながら手にしていた煙草を見る。
ずいぶん短くなってしまったそれを灰皿に押し付け、新しいものに火を付けた。
新しい紫煙が天井に向かって立ち上っていく。
静かにそれを見ながら、思った。
ああそうか。だから無性に吸いたくなったのか。
そう、明日は決断の日。
静かに立ち上るその紫煙が、その行方。
日付からするに高2の冬ですよ。文体は変わったけど根本は変わってないんだなぁと深々と思いましたわ。
日付は2004年12月13日。
…3年以上前(苦笑
やっぱりここはあえて一切直さずに載せます(笑
静かな部屋に煙る息苦しい匂い。
それを発する紫煙が静かに立ち上っていく様はまるでか細い人の命のよう。
その様を眺めていると現実から逃れていけるような気がした。
ゼロスはそれを見ながら口に咥え肺まで深く煙を吸い込み、吐いた。
このたびが始まってから何ヶ月ぶりだろう。こうやって煙草を吸ったのは。
元々メルトキオにいたときも人前で吸う事はセバスチャンに禁じられていたし、実際ほとんど吸う事はなかった。
けれど時々、無性に吸いたくなる時がある。
理由は今でも分からないが、その時には隠れて一人で吸っていた。
だから今も旅を共にする仲間から離れて、部屋で一人で吸うつもりだった。そのつもりだった。
ふー、と静かに鼻から煙を吐いたとき、勢いよくドアが開けられた。
「なーゼロス、起きてるよな・・・ってお前煙草なんか吸ってたのか!?」
驚愕を含む声。そうだろうなぁ、俺今までそんな素振り見せたことないし。
「なーによロイド君。俺様が煙草吸ってちゃ悪いワケ?」
そんな軽口を叩きながら、口に持っていっていた煙草を離す。紫煙が、揺れた。
「別にそんなことねえけど・・身体に悪いからあんまり吸うなよ」
「分かってるって。ロイド君に説教はされたくないなぁ」
どうせお前には関係ないだろ、俺がどうなろうと。
もう一度口に咥えて、煙を吐いた。ロイドの顔が煙たさに歪んだ。
なんとなくむかついたから、窓辺に移動して窓の外に顔を向けて、それでも吸うことはやめない。
「なぁ・・・もうそろそろやめろって」
背後から聞こえる、ロイドの叱咤の声。だからどうして俺に構うんだ。
「ロイド君には関係ないでしょーよ。何でそんなに怒るのよ」
全く、いい迷惑だ。煙が嫌なら部屋から出れば良いじゃねぇか。
「だって、お前辛そうだぞ。そこまでして吸う必要ねえんじゃねえの?」
しょうがないでしょ、煙草ってそういうもんなんだから。と振り向いて言いかけたら
「お前今にも泣きそうだぞ」
動きが止まった。
泣きそう?俺が?そんなことはないはずだ。だって俺は人前じゃ絶対そんな素振りは見せない。
「何言ってんのロイド君。俺様が何で泣かなきゃいけないのよ」
極めてふざけて答えた。手にしていた煙草の紫煙が揺れる。
一時の沈黙の後、ロイドが口を動かした。
「・・・・わかってねえならもう良いぜ。俺は戻る。皆には部屋に寄らないよう言っておくよ、みんな煙草嫌いだろうし」
そういってロイドは部屋から出て行った。
扉が閉まる間際、サンキューロイド君、といいながら手にしていた煙草を見る。
ずいぶん短くなってしまったそれを灰皿に押し付け、新しいものに火を付けた。
新しい紫煙が天井に向かって立ち上っていく。
静かにそれを見ながら、思った。
ああそうか。だから無性に吸いたくなったのか。
そう、明日は決断の日。
静かに立ち上るその紫煙が、その行方。
日付からするに高2の冬ですよ。文体は変わったけど根本は変わってないんだなぁと深々と思いましたわ。
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