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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2008'05.20.Tue
スカアティ(SN3)




潮の音を聞きながら甲板から眺める景色は穏やかな日常。長くは続かないと解っているけれど、それでも続く事を願わずにはいられない。
「センセ」
ふわりと香った甘い香りに振り返れば、彼が優しい笑みを浮かべていた。彼も、昔の傷を抱えて生きているというのに、私に変わらずに笑みを向けてくれる。彼の顔をよぎる影には前から気付いていたのに。
「大丈夫、貴女酷い顔してるわよ」
「………だめですね、考えれば考えるほど悪いことしか想像出来なくて」
心配そうに聞いてくる声に、無理矢理笑みを作って答えようとしたけれど、それは為されずに崩れた不器用な顔を返してしまう。溜め息とともに情けない声が出てしまった。
「私は、あの子を守っていけるのか、わからなくなってしまったんです」
「………、センセ。もうあの子は十分強くなったわ、貴女が気負いしなくても大丈夫」
一度声に出してしまえば堰を切ったように溢れ出す本音。彼は優しく宥めてくれるけれど、そこに存在する彼の本音は別だと気付いている。
「それでも、いざとなったら私が、私が守らないといけないから、だから」
「………」
醜い姿をさらけ出す私を彼は静かに眺めていた。潮の音が大きく聞こえる。耐えきれず私は目を逸らしてしまう。海岸で遊んでいたあの子は集落に行ったのか居なくなっていた。
「ねぇ、アティ」
「…………、なんですかスカーレル」
「本当はね、解ってるのよみんな。貴女に無理をさせてることも、それを避けることが出来ないのも。解っていてこんな事言うんだけど」
横から長い指がふわりと降りてきて頭を撫でられる。いきなりの事に頭を上げれば、こつり、と音が鳴って。

彼の顔が目の前にあった。

「肩の力を抜いて周りを見てみなさい。貴女は独りじゃないんだから」
ね、とまた優しく微笑んで触れるだけのキスをされる。さらさらした髪が頬を撫でて、すぐに離れていった。ひらりと優雅に身を翻して彼は船内へと帰っていく。




私の唇には彼の口紅だけが残っていた。





久しぶり過ぎてゲームのストーリーを忘れたけれど、雰囲気で頑張ってみた。
私は男前なスカーレルが大好き(笑
でも彼は手出さないで引くんだよな…。
生徒は誰でもいいけど、フラグは立たない方向で。

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