2009'03.27.Fri
それぞれ少し歪んでる二人。濁してるけどある意味危険。
「ねぇ、ロイド。ロイドは、俺が死んだら愛してくれる」
夜も深い時間。いつもの様に二人で包まりながら何気なく戯れていれば、不意に吐き出されたその台詞。先程までの熱も相まって甘える様に聴こえたそれは、響きとは裏腹にそれまでの熱を吹き飛ばすような冷たい内容を持っていた。
「何言ってるんだよ、死ぬなんて」
「仮定の話だって。で、どうなの、愛してくれるの」
繰り返される同じ質問。それは変わらず睦言の様に甘く響く。せがまれた口付けに応えながら彼の顔を見れば、そこにはただ口付けを受け入れて恍惚としている綺麗な顔があるだけだ。漠然とした不安が残るけれど、それは気のせいなのだろうか。
「うーん、愛してやりたいけど、死んだら何も無いだろ。過去に縛られてても虚しいだけだし」
「そうかぁ…、やっぱりそうくるよな」
そう言うと困った様に笑いながら伸ばされる指先。俺の顔を確かめる様にゆっくりと撫でながら降りていく。彼らしくないその儚げな行動に疑問を感じずには居られなかった。
「どうしたんだよ、ゼロス。お前何か今日おかしいぞ」
「……おかしいのかもな、俺って」
堪えきれずそう言えば、撫でていた指先をさっと引っ込め、より一層困った様な顔で呟く。縋る様な瞳が俺を見ていた。
「動いてるのが、気持ち悪いんだ。ロイドはこんなに格好いいのに、なんで動いてるのかなぁ、って思うんだよ。だったら俺もロイドからしたら気持ち悪いのかなぁ、なんて」
馬鹿みたいだよなぁ、と困った様に笑って、でも泣きそうな目をして、そう言った。その姿はとても儚げで、綺麗だった。
「ねぇ、こんな俺でも嫌いにならないでくれる」
「なる訳無いだろ、そんなことぐらいで」
まるで消えそうな位弱々しい声で呟く彼に、強い調子でそう応える。すると一瞬きょとんとした顔をして、小さく笑った。
「そんな事、なのかよ……、悩んでた俺様ほんと馬鹿みたいじゃねぇか」
「だってゼロスはゼロスだろ」
そう言って少し冷えた身体を抱き締めれば、今度は声を出して笑う。聞き慣れたその声に少し安心して、抱き締めていた腕に力を込めた。
「……、ロイド」
「それに、俺もお前に言わないといけない事が、あるんだ。俺だけ黙ってるなんて、なんか悪いし」
耳元でそう呟いて、耳たぶを軽く食む。くすぐったそうに身を捩りながらも、それを受け入れる彼に、さらに言葉を続けた。
「俺さ、お前のことがずっと欲しかったんだ」
「……何、それ今更でしょ」
「そうじゃないんだ。なんていうかさ、ゼロスはすごく綺麗だし、可愛いし。見てるだけでなんか腹の中がくすぐったくなるんだよ」
そう言って上げた顔は、まるでさっきのゼロスみたいに困った様な顔をしてるんだろう。怪訝な顔が目に入った。
「俺もおかしいかな、なんて思って言ってなかったんだけどさ」
その視線がなんか痛くて、逃げるように首筋に顔を埋める。彼の匂いが直に感じられて、心地良かった。それにまた腹がくすぐったくなって、情けなくなる。
「何だよ、お互い様じゃねぇかよ」
そう笑う声が上から降ってきて、同時に頭を軽く叩かれる。そのまま顔を上げさせられて、口付けられた。
「ロイドもロイドなんだろ、だったらしたい様にして良いんだぜ」
そう甘く呟く彼に、耐えきれず噛み付く様に唇を食んだ。
選択制お題より。
配布元:Abandon
思ったより普通になりました。
ちょっと物足りないですが理性が働いたようです(苦笑
本当に書きたかった物はあとでこっそり隠れ家あたりに投下しときます。
「ねぇ、ロイド。ロイドは、俺が死んだら愛してくれる」
夜も深い時間。いつもの様に二人で包まりながら何気なく戯れていれば、不意に吐き出されたその台詞。先程までの熱も相まって甘える様に聴こえたそれは、響きとは裏腹にそれまでの熱を吹き飛ばすような冷たい内容を持っていた。
「何言ってるんだよ、死ぬなんて」
「仮定の話だって。で、どうなの、愛してくれるの」
繰り返される同じ質問。それは変わらず睦言の様に甘く響く。せがまれた口付けに応えながら彼の顔を見れば、そこにはただ口付けを受け入れて恍惚としている綺麗な顔があるだけだ。漠然とした不安が残るけれど、それは気のせいなのだろうか。
「うーん、愛してやりたいけど、死んだら何も無いだろ。過去に縛られてても虚しいだけだし」
「そうかぁ…、やっぱりそうくるよな」
そう言うと困った様に笑いながら伸ばされる指先。俺の顔を確かめる様にゆっくりと撫でながら降りていく。彼らしくないその儚げな行動に疑問を感じずには居られなかった。
「どうしたんだよ、ゼロス。お前何か今日おかしいぞ」
「……おかしいのかもな、俺って」
堪えきれずそう言えば、撫でていた指先をさっと引っ込め、より一層困った様な顔で呟く。縋る様な瞳が俺を見ていた。
「動いてるのが、気持ち悪いんだ。ロイドはこんなに格好いいのに、なんで動いてるのかなぁ、って思うんだよ。だったら俺もロイドからしたら気持ち悪いのかなぁ、なんて」
馬鹿みたいだよなぁ、と困った様に笑って、でも泣きそうな目をして、そう言った。その姿はとても儚げで、綺麗だった。
「ねぇ、こんな俺でも嫌いにならないでくれる」
「なる訳無いだろ、そんなことぐらいで」
まるで消えそうな位弱々しい声で呟く彼に、強い調子でそう応える。すると一瞬きょとんとした顔をして、小さく笑った。
「そんな事、なのかよ……、悩んでた俺様ほんと馬鹿みたいじゃねぇか」
「だってゼロスはゼロスだろ」
そう言って少し冷えた身体を抱き締めれば、今度は声を出して笑う。聞き慣れたその声に少し安心して、抱き締めていた腕に力を込めた。
「……、ロイド」
「それに、俺もお前に言わないといけない事が、あるんだ。俺だけ黙ってるなんて、なんか悪いし」
耳元でそう呟いて、耳たぶを軽く食む。くすぐったそうに身を捩りながらも、それを受け入れる彼に、さらに言葉を続けた。
「俺さ、お前のことがずっと欲しかったんだ」
「……何、それ今更でしょ」
「そうじゃないんだ。なんていうかさ、ゼロスはすごく綺麗だし、可愛いし。見てるだけでなんか腹の中がくすぐったくなるんだよ」
そう言って上げた顔は、まるでさっきのゼロスみたいに困った様な顔をしてるんだろう。怪訝な顔が目に入った。
「俺もおかしいかな、なんて思って言ってなかったんだけどさ」
その視線がなんか痛くて、逃げるように首筋に顔を埋める。彼の匂いが直に感じられて、心地良かった。それにまた腹がくすぐったくなって、情けなくなる。
「何だよ、お互い様じゃねぇかよ」
そう笑う声が上から降ってきて、同時に頭を軽く叩かれる。そのまま顔を上げさせられて、口付けられた。
「ロイドもロイドなんだろ、だったらしたい様にして良いんだぜ」
そう甘く呟く彼に、耐えきれず噛み付く様に唇を食んだ。
選択制お題より。
配布元:Abandon
思ったより普通になりました。
ちょっと物足りないですが理性が働いたようです(苦笑
本当に書きたかった物はあとでこっそり隠れ家あたりに投下しときます。
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