2009'03.21.Sat
そう、それは最初から。
きらきらと輝く銀色を後ろから見下ろす度に、それに触れたいと思っていた。記憶の奥底に眠っていたその感情は既視感と共に呼び起こされ、目の前の銀色がまさにその本人、というか生まれ変わりだけれど、のものだと知れば余計にその思いは募るばかり。
今なら触れられるのだ、この手で、この指先で。
あの頃とは違い短くなって居るけれど、さらさらと流れるそれはとても手触りが良いことだろう。見上げる立場から見下ろす立場になってそれに触れられる機会は沢山あるというのに、何故か触れてはいけない気がして伸ばした腕は空を切る。もどかしい。腕が降りるのを見計らうかの様に振り返るものだから、また腕を持ち上げて何でもねぇよと振らなければならない。前を向き直すその時にふわりと銀色が揺れた。
「綺麗だよね、スパーダの髪」
細い指が俺の髪をゆっくり梳いて降りる。それは毎日大剣を振りかざしているとは思えないほど綺麗な指で、俺の髪は流れる様に滑り落ちる。息が掛かるのか肌で感じられるほど近い距離。ぎしりと音を立てながらベッドの上に乗り上げてくる銀色に息を飲む。普通なら見せない様な意地悪い表情を浮かべながらシーツに押し付けられた。自ずと見上げる姿勢になってしまい、仕方なく顔を上げれば触れてしまいそうな程近くに銀色の髪が揺れていて、その中で更に揺れる銀色の睫に見惚れてしまう。
「お、おい……ルカ、」
「あの刃もとても綺麗だと思ってたけど、こっちの方がもっと綺麗」
そう言って俺の髪に口付けるその仕草にざわざわと背筋が粟立つ。その際さらさらと銀色が頬を撫でて、その余りの気持ち良さに、思わず瞼を強く閉じた。
彼の髪は思っていた以上にさらさらで柔らかくて、その上彼独特の甘い匂いに興奮してしまった。けれど、足りない。もっと直に触れてみたい。ゆっくりと瞼を開けてシーツの上をさ迷っていた指先を目の前に伸ばす。さらさらと揺れていた前髪を一房、きゅっと摘んだ。
「……スパーダ、」
「へ、……あ、いや、何でも、ねぇ…」
すると目の前の顔が不思議そうにきょとんとしていて、瞬時に我に返って手を離す。空を切る腕が、何だか寂しかった。
「え、何で離しちゃうの……、可愛かったのにさっきのスパーダ」
「いやいやさっきのは気の迷いっつーかなんつーか……って、え…」
「可愛かったよ、物欲しそうにしてて、とっても」
ぐるぐる回る思考の合間に聞こえてきた可愛いという言葉。それを理解するのに時間を要していれば、にっこりと彼が笑いながら同じ言葉を繰り返す。そこに続けられた言葉に一気に顔が熱くなった。
「僕も欲しくなっちゃった」
その台詞とほぼ同時に聞こえてきた、ぴちゃりと言う音。それが彼の舌による音だと理解する前に、気が付けば咥内に舌が侵入していた。
「ん、ふ……、ぁ」
「……可愛い、スパーダ」
息苦しさに彼の胸を叩けば名残惜しそうに離れていく唇。そこは唾液に塗れていて。それをぺろりと舐める彼に、胸が煩い程高鳴った。
「な、な、何して」
「今はここまで、ね。今度は逃がさないから、覚悟してて」
そう言ってにっこりと笑う彼に、また胸が高鳴って。込み上げてくる恥ずかしさに紛れた、悲しみ。
何故だかとても泣きたい気分だった。
選択制お題より。
配布元:Abandon
久しぶりのルカスパです。マイソロ2をやってたら何だか二人を書きたくなりました。でも本編設定ですけど。
ただいちゃいちゃしてるようにしか見えない二人です(笑
つかスパーダが乙女過ぎるような。今更ですが、男前ルカ君が大好きです。でも可愛い連呼し過ぎだ(笑
きらきらと輝く銀色を後ろから見下ろす度に、それに触れたいと思っていた。記憶の奥底に眠っていたその感情は既視感と共に呼び起こされ、目の前の銀色がまさにその本人、というか生まれ変わりだけれど、のものだと知れば余計にその思いは募るばかり。
今なら触れられるのだ、この手で、この指先で。
あの頃とは違い短くなって居るけれど、さらさらと流れるそれはとても手触りが良いことだろう。見上げる立場から見下ろす立場になってそれに触れられる機会は沢山あるというのに、何故か触れてはいけない気がして伸ばした腕は空を切る。もどかしい。腕が降りるのを見計らうかの様に振り返るものだから、また腕を持ち上げて何でもねぇよと振らなければならない。前を向き直すその時にふわりと銀色が揺れた。
「綺麗だよね、スパーダの髪」
細い指が俺の髪をゆっくり梳いて降りる。それは毎日大剣を振りかざしているとは思えないほど綺麗な指で、俺の髪は流れる様に滑り落ちる。息が掛かるのか肌で感じられるほど近い距離。ぎしりと音を立てながらベッドの上に乗り上げてくる銀色に息を飲む。普通なら見せない様な意地悪い表情を浮かべながらシーツに押し付けられた。自ずと見上げる姿勢になってしまい、仕方なく顔を上げれば触れてしまいそうな程近くに銀色の髪が揺れていて、その中で更に揺れる銀色の睫に見惚れてしまう。
「お、おい……ルカ、」
「あの刃もとても綺麗だと思ってたけど、こっちの方がもっと綺麗」
そう言って俺の髪に口付けるその仕草にざわざわと背筋が粟立つ。その際さらさらと銀色が頬を撫でて、その余りの気持ち良さに、思わず瞼を強く閉じた。
彼の髪は思っていた以上にさらさらで柔らかくて、その上彼独特の甘い匂いに興奮してしまった。けれど、足りない。もっと直に触れてみたい。ゆっくりと瞼を開けてシーツの上をさ迷っていた指先を目の前に伸ばす。さらさらと揺れていた前髪を一房、きゅっと摘んだ。
「……スパーダ、」
「へ、……あ、いや、何でも、ねぇ…」
すると目の前の顔が不思議そうにきょとんとしていて、瞬時に我に返って手を離す。空を切る腕が、何だか寂しかった。
「え、何で離しちゃうの……、可愛かったのにさっきのスパーダ」
「いやいやさっきのは気の迷いっつーかなんつーか……って、え…」
「可愛かったよ、物欲しそうにしてて、とっても」
ぐるぐる回る思考の合間に聞こえてきた可愛いという言葉。それを理解するのに時間を要していれば、にっこりと彼が笑いながら同じ言葉を繰り返す。そこに続けられた言葉に一気に顔が熱くなった。
「僕も欲しくなっちゃった」
その台詞とほぼ同時に聞こえてきた、ぴちゃりと言う音。それが彼の舌による音だと理解する前に、気が付けば咥内に舌が侵入していた。
「ん、ふ……、ぁ」
「……可愛い、スパーダ」
息苦しさに彼の胸を叩けば名残惜しそうに離れていく唇。そこは唾液に塗れていて。それをぺろりと舐める彼に、胸が煩い程高鳴った。
「な、な、何して」
「今はここまで、ね。今度は逃がさないから、覚悟してて」
そう言ってにっこりと笑う彼に、また胸が高鳴って。込み上げてくる恥ずかしさに紛れた、悲しみ。
何故だかとても泣きたい気分だった。
選択制お題より。
配布元:Abandon
久しぶりのルカスパです。マイソロ2をやってたら何だか二人を書きたくなりました。でも本編設定ですけど。
ただいちゃいちゃしてるようにしか見えない二人です(笑
つかスパーダが乙女過ぎるような。今更ですが、男前ルカ君が大好きです。でも可愛い連呼し過ぎだ(笑
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