2009'03.17.Tue
ちゅんちゅんと鳴く鳥の声が分厚い毛布越しに小さく聞こえる。それは朝の訪れを如実に伝えているけれど、ぬくぬくとしたここから抜け出る気力はまだ湧かない。
どうせどうにか這い出した所で自分の早い起床を喜ぶものなど居やしないのだ。ならば時間の余す限り惰眠を貪っても良いだろう。そう毎朝同じ様に繰り返される結論。また同じ様に毛布を引き寄せて瞼を閉じた。
「いい加減早く起きて下さいよー…遅刻しますってば」
うつらうつらとした意識の中、聞き慣れた声が小さく聞こえる。日課となったその声に、もうそんな時間かと毛布の中でそう思った。だがそれでもこのぬくぬくとした空間の誘惑には勝てないのだ。もう少し寝ていても、
「起きろって言ってんでしょーが」
勢い良く毛布が剥かれ、朝の冷たい空気が肌を刺す。隔てるものが無くなった声が、覚醒仕切ってない頭にがんがん響いた。重い瞼を少し上げて目の前の顔を見れば、可愛い顔を歪めて自分を睨んでいた。
「………寒いぞ、シュヴァーン」
「寒いぞ、じゃないですよ大将。今何時だと思ってるんですか。10時ですよ、朝とかそんな時間じゃないですから」
そう騒ぎながらも着々と準備を進めてくれる彼に笑みが浮かぶ。こんな事を言いながらもいつもいつも同じ様に訪れるのだから本当に愛しい。
「私は愛されているのだな」
そう言えばその顔を真っ赤にさせて焦った様に叫んで、
「……何馬鹿な事言ってるんですか、あなたが遅刻したら俺を含めた部下が被害を被るんです。そうじゃなければ、わざわざこんな部屋まで来ませんから」
照れる姿が見れることは無かった。
実際は冷たい目が自分を突き刺す様に見ているだけだった。あんまりな現実にがっくりと肩を落としながら、準備された服に腕を通していく。遠くから早く、と急かす視線がとても痛い。
「大体大将が俺にしか鍵を渡さないからいけないんですよ」
ぼそりと呟かれた言葉に彼の方を見れば先程と同じ視線のままで。思わず動きを止めてしまった自分に呆れた様に溜め息を吐いていた。自然と笑みが零れる。
「やはり、私は愛されているな」
「だから無駄な事言ってないで早く着替えて下さい。訓練は10時半からなの、分かってるでしょう」
「……ああ、分かっているよ」
漸く着替えを済ませ、律儀に扉の前に立っていた彼の元へと向かう。目の前に立てば、身長差から見上げてくる彼に一層笑みが浮かんだ。
「待たせたな」
「全くですよ。訓練の指揮者が寝坊で遅刻とか、本当に部下に示しが付きませんから」
「偶にはお前が指揮をしてみるのも良いと思うが」
「起きるのが億劫だからって押し付けるのは止めて下さい」
「そんなつもりは無いのだがな」
会話もほどほどに廊下を足早に進みながら訓練所に向かう。時計を見ればあと5分程で開始の時間。今日も時間ぴったりの登場になりそうだ。
「諸君、既に全員揃っているな。では訓練を開始する」
先程までの寝坊助な様子はどこに行ったのか、堂々とした様子で指揮を行う彼を背後から眺めていた。その的確な指揮は自分には到底真似は出来そうにもない。
(やっぱりあんたじゃなきゃ駄目なんだよ、アレクセイ)
ということで朝弱いアレクセイとそれを起こすおかんみたいなシュヴァでした。
何だか近頃私、なシュヴァを書いてない気がするけれど、実際本当のシュヴァはこんな感じだと思うの。
作品としては私、なシュヴァーンと俺、なレイヴンのギャップを楽しみたいんだけどね(苦笑
どうせどうにか這い出した所で自分の早い起床を喜ぶものなど居やしないのだ。ならば時間の余す限り惰眠を貪っても良いだろう。そう毎朝同じ様に繰り返される結論。また同じ様に毛布を引き寄せて瞼を閉じた。
「いい加減早く起きて下さいよー…遅刻しますってば」
うつらうつらとした意識の中、聞き慣れた声が小さく聞こえる。日課となったその声に、もうそんな時間かと毛布の中でそう思った。だがそれでもこのぬくぬくとした空間の誘惑には勝てないのだ。もう少し寝ていても、
「起きろって言ってんでしょーが」
勢い良く毛布が剥かれ、朝の冷たい空気が肌を刺す。隔てるものが無くなった声が、覚醒仕切ってない頭にがんがん響いた。重い瞼を少し上げて目の前の顔を見れば、可愛い顔を歪めて自分を睨んでいた。
「………寒いぞ、シュヴァーン」
「寒いぞ、じゃないですよ大将。今何時だと思ってるんですか。10時ですよ、朝とかそんな時間じゃないですから」
そう騒ぎながらも着々と準備を進めてくれる彼に笑みが浮かぶ。こんな事を言いながらもいつもいつも同じ様に訪れるのだから本当に愛しい。
「私は愛されているのだな」
そう言えばその顔を真っ赤にさせて焦った様に叫んで、
「……何馬鹿な事言ってるんですか、あなたが遅刻したら俺を含めた部下が被害を被るんです。そうじゃなければ、わざわざこんな部屋まで来ませんから」
照れる姿が見れることは無かった。
実際は冷たい目が自分を突き刺す様に見ているだけだった。あんまりな現実にがっくりと肩を落としながら、準備された服に腕を通していく。遠くから早く、と急かす視線がとても痛い。
「大体大将が俺にしか鍵を渡さないからいけないんですよ」
ぼそりと呟かれた言葉に彼の方を見れば先程と同じ視線のままで。思わず動きを止めてしまった自分に呆れた様に溜め息を吐いていた。自然と笑みが零れる。
「やはり、私は愛されているな」
「だから無駄な事言ってないで早く着替えて下さい。訓練は10時半からなの、分かってるでしょう」
「……ああ、分かっているよ」
漸く着替えを済ませ、律儀に扉の前に立っていた彼の元へと向かう。目の前に立てば、身長差から見上げてくる彼に一層笑みが浮かんだ。
「待たせたな」
「全くですよ。訓練の指揮者が寝坊で遅刻とか、本当に部下に示しが付きませんから」
「偶にはお前が指揮をしてみるのも良いと思うが」
「起きるのが億劫だからって押し付けるのは止めて下さい」
「そんなつもりは無いのだがな」
会話もほどほどに廊下を足早に進みながら訓練所に向かう。時計を見ればあと5分程で開始の時間。今日も時間ぴったりの登場になりそうだ。
「諸君、既に全員揃っているな。では訓練を開始する」
先程までの寝坊助な様子はどこに行ったのか、堂々とした様子で指揮を行う彼を背後から眺めていた。その的確な指揮は自分には到底真似は出来そうにもない。
(やっぱりあんたじゃなきゃ駄目なんだよ、アレクセイ)
ということで朝弱いアレクセイとそれを起こすおかんみたいなシュヴァでした。
何だか近頃私、なシュヴァを書いてない気がするけれど、実際本当のシュヴァはこんな感じだと思うの。
作品としては私、なシュヴァーンと俺、なレイヴンのギャップを楽しみたいんだけどね(苦笑
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