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日記兼短文落書置場..........。

日記だったり短文や絵を載せたり等々何でも賄えなノリで。

2025'05.10.Sat
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2011'11.26.Sat
前に書いたジュアルの一場面を拡げてみた。
最初は普通に始まったのに、書いてる内になんだか随分ジュード君が暴走して、気が付けば二人とも狂気じみた真正の変態になってしまった(汗
文章の一人歩きまじ怖い…。
なので前回のジュアルよりもあれな作品になってます。注意。






戦闘では後衛を護るために僕やアルヴィンなどの前衛は一緒に行動する事が多い。
必然的にリンクをする事も多くなって、各々の能力を発揮する機会も多かった。
僕が倒れた彼を助けることは沢山あったし、勿論彼に敵の防御を崩して貰うことも沢山あった。
その度に僕は彼に感謝していたし、彼だって同じなのだろうと、思っていた。
ミラが居なくなったあの時までは。

彼を完全に許したわけではない。全てを受け止めた訳でもない。
ただ、止まっているんじゃなく、進んで欲しいと思って、僕達は一緒にいたのに。


「アルヴィン!……大丈夫?」
いつもと同じ、気が付けばリンクをして共に戦っていた。前に比べると確かに少し気まずい雰囲気はあったけれど、戦闘が始まってしまえばそうも言ってられないのも現実だった。
だから僕は前と変わらずに、リンクしていたアルヴィンが倒れれば、すぐに察知して駆け寄って治癒功を施す。
そこに何の疑問も抱かなかった。

「ほら、立てる…?」
そう言って伸ばした腕は、前なら力強く握り返して貰っていた。けれど今はその腕は虚しく空を切る。
「……あぁ、サンキュ、世話掛けたわ」
そうまた同じ台詞を吐いて、視線を逸らされる。そのまま何事も無かったように立ち上がり、大剣を片手に戦場に向かっていく。

その背中を眺めながら、思わず、唇を噛み締めた。



「アルヴィン」
宿に泊まり、みんなが眠りに入ろうとすると、決まって彼は宿を抜け出し朝方まで酒場で過ごす。
最初はそんな彼を大人だなんて思っていたこともあったけど、今は全然そんなものじゃなかったと気付いてしまった。
結局、彼は拒絶されるのを怖がってる。大人ぶる彼だからこそ、そんな大人らしくない気持ちを酒でごまかしているんだと、分かってしまった。
彼は酷く脆い存在だと、知ってしまった。
「今日も、行くの?飲み過ぎは身体に良くないよ」
「……何だよ優等生、今更お説教か?大人には大人のお付き合いがあるんだよ」
「大人なら節度を保って飲むものだよ、アルヴィン」
それでも、いつもなら毎度の事だと咎める事もなく見逃していたのだけれど、今日だけは違う。
今日はどうしても確かめたい事があった。このまま有耶無耶にしてしまったら、いけない気がしてならなかったんだ。
「……おい、ジュード?」
そんな僕の雰囲気を察したのか、彼は宿を出る足を止めたまま怪訝そうに僕の名を呼ぶ。
そのまま顔をのぞき込もうとして、止まり、戸惑った表情を浮かべながら、視線を逸らした。

ほら、また、だ。

また交わされない視線にちくりと胸が痛む。これが悲しみから来るのか、それとも苛立ちから来るのか、もしくは両方なのか、まだ僕には分からない。
それを確かめるためにも、その理由が知りたかった。
「ねぇ、アルヴィンは、まだ僕になんか隠してるの?」
ぴくりと、その大きな肩が揺れる。下げられた視線も左右に大きく揺れて、動揺しているのが一目瞭然だった。
それを咎めるように真っ直ぐな視線を向けて、もう一度名前だけを呼べば、びくりと一際身体を揺らして、怖ず怖ずと視線が交わされる。
まるで泣きそうな顔が、そこにはあった。

どうして、君がそんな顔をするの。
そう思ったのも束の間、彼はその身を翻し部屋の扉へと向かう。この状況から逃げようとする彼の腕を咄嗟に掴んだ。
「……離してくれよ、ジュード」
「嫌だよ。……最近のアルヴィン、なんかおかしいよ。前ならこういう時に何も言わずに逃げたりしなかったよね?」
一層近付いて彼の表情を下から覗き込めば、さっきと変わらない顔で、まるで縋るように僕を見てくる。
それなのに、必死に僕の腕から逃げようともしている。顔と行動がちぐはぐだ。
「何を、考えてるの……?」
「っ、……なんでも、ねぇよ」
「嘘、言わないでよ」
「ジュードには、関係ない」
そんな顔をして、何を言ってるんだろう。
そう思った瞬間、無意識に腕に力が籠もっていて、気が付けば彼を床に引き倒していた。
一瞬驚いた顔をして直ぐ様起きあがろうとした彼を、上から押さえることで妨げる。
どこかで見たような光景だとぼんやりと思っていた。そうだ、ハ・ミルでのあの時の。
「ねぇ、この体勢って身覚えない?」
「っ……!」
「あんまり力業はしたくないんだけど、答えてくれないなら仕方ないよね」
彼を見下ろしていれば、そんな言葉が自然と口から出る。これでは正に脅し文句だ。
僕自身、その行動に驚いていた。けれど、下で微かに怯えた表情をする彼に興奮を覚えているのも、確かだった。
あぁ、これはそういうことだったんだ。
感じていた違和感の理由に漸く気付いて、思わず口元がつり上がる。それに更に恐怖を感じたのか、息を呑む音が小さく部屋に響いた。
「ねぇ、アルヴィンは僕の事嫌いなの?」
「い、っ……!」
そう問い掛けながら、腕を掴む手のひらに徐々に力を込めていく。
ぎりぎりと骨が軋む音の間に抑えた悲鳴が混ざって、その様に一層興奮した。
けれど、今本当に聞きたいのはこんな声じゃない。
「答えてよ。ねぇ、触りたくないくらい、逃げたいくらい、泣きたいくらいに僕が嫌いなの?それとも、また裏切るの?」
手のひらに込めた力を一層強めながら、今なお視線を逸らそうとする彼を真っ直ぐに見つめる。逃げる隙なんて、与えないからね。
有無を言わさないその状況での詰問に、彼は泣きそうな顔を浮かべて、小さく呟く。
「ち、ちがっ……」
「何が違うの?」
極めて冷えた声色でそう返せば、堪えきれなくなったのか歪んだ瞳から涙が零れた。
流石に少しやり過ぎたかと思ったけれど、明確な答えをまだ聞いてない。
「泣いてたって、分からないよ」
そう言っても、彼は無言で啜り泣くだけで埒が開かない。痺れを切らして仕方無く、押さえつけていた腕を解放した。
するとただ悔しそうに泣いていた彼が、一瞬驚いて寂しそうな顔をする。その顔に、彼が必死に隠してるものの片鱗を見た気がした。
「アルヴィン」
僕がそう名前を呼んだ時には、もうさっきまでの悔しそうな顔しかしていなかった。
それが逆に悔しくて、またその顔を引き剥がしたくて、思わず、晒されていた首筋に腕が伸びた。
ひゅ、という音と共に喉が動き、それを抑えるように指先に力が籠もる。
これは流石に駄目だ、と頭の中で警鐘が鳴り響いていたが、その時の彼の顔に、どうしても止めることが出来なかった。

なんで、そんなに嬉しそうなの、アルヴィン。

その顔に浮かんだ狂気に、ぞくりと、背筋が震えた。



気付けば、意識と共に彼は果てていて、その彼の姿に僕自身も無意識に果てていた。
もうとっくに、僕も狂気に飲まれていたんだろう。
意識を失った彼の、赤黒く染まった首筋を撫でながら、その愛おしさに小さく笑った。




選択制お題より。
配布元:Abandon


長い時間かけて書きたいこと詰め込んだら、まとまりがなくなってしまいました(汗

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