2010'10.01.Fri
更新日は1日と15日で統一しようと思います。間に合えばね(苦笑
間髪入れずに走り出す背中を追い掛けて、あいつが敵に切り込んだ瞬間に足を止めて詠唱を始める。攻撃のリズムを見極めて一連の動作が終わる瞬間に、待機していた魔術を一気に敵に放った。
反撃しようと身を構えた魔物は不意の攻撃に為す術も無く切り裂かれる。一瞬の断末魔の叫びの後、辺りは静寂に包まれた。
それを打ち消すような溜め息が一つ。安堵を含んだそれは、一瞬にして緊迫していた空間を柔らかなものにする。それぞれが構えていた武器を下げ始めて、倣う様に俺も握っていた短剣を鞘へと戻した。
「さっきはサンキューな、ゼロス!」
「なーに、俺様に掛かればあれぐらい簡単だっての」
鞘と柄がカチンと音を立てるのとほぼ同時に、振り向いたロイドの口から嬉しそうな大きな声が響く。不自然にならない程度に笑みを浮かべながら、堂々としたその礼を軽く流した。
別に何て事は無い、これは只のお仲間ごっこだ。
元々が甘ちゃんの集まりなんだろう。気を許した素振りを見せれば警戒なんてすぐに解いてしまう。こいつらにはこのお仲間ごっこだけで充分なんだ。余計な気苦労など、必要無い。後は適当に情報を貰ってあちらさんに流すだけ。
たったそれだけ。何て事は無い。
「ゼロスッ……!!」
それはほんの少しの不注意から来る大きな失態だった。
詠唱直後の硬直から抜け出す直前の隙に、構えていた短剣を魔物の腕に弾き飛ばされたのだ。
途端に無防備になる右腕。とっさに盾で庇うもこれでは攻撃が出来やしない。魔術を放とうにもTPは先程の魔術で底を着いてしまった。最後の一匹だからと甘く見ていたのが仇となった。
仕方無く距離を取って、飛ばされた短剣の姿を探す。ロイドに襲いかかる奴の足元に転がっているのが見えた。後退するロイドを追い掛けて奴がそこから離れた隙に、その短剣へと手を伸ばす。瞬間。
大きな叫び声と共に、背後から魔物が襲いかかってきた。
やばい、と思ったその時、更なる大きな叫び声を上げて魔物が崩れ落ちる。その先には剣を振り下ろしたロイドがいた。
「ったく、大丈夫か、ゼロス」
「……お、おう」
そう答えてから拾い上げた短剣の泥を払って、鞘へとしまう。安心した様なロイドの溜め息が聞こえたかと思えば、どさり、と音がして。
背中を真っ赤に染めたロイドが、そこに倒れていた。
「とりあえず、容態は落ち着いたわ。それにしても二人して居なくなったかと思えば、一体何をしていたのかしら?」
呆れと安堵が入り混じった溜め息を吐きながら、リフィルはそう呟いた。それを苦々しく聞いていれば、横になっていたロイドの口が開く。
「……ごめん、先生。俺がゼロスを手合わせに誘ったんだよ」
「あなたは安静にしていてよ、ロイド。……そうなの、ゼロス?」
「……まあ、な」
問い詰める視線に堪え切れずに、瞳を逸らしてそう答えた。その様子を見るや否や、リフィルは立ち上がって真っ直ぐに見つめてきた。
「……そう、それはロイドが悪い事をしたわね。彼の担任として謝らせてもらうわ、ごめんなさい」
「………、」
「なんであの時助けたんだ?あんな傷負っておいてよ」
リフィルが部屋を出て行けば、二人だけが残ったそこには静寂が訪れて、それを打ち消す様にそう問い掛けた。すると、きょとんとした顔をこっちに向けながら、ロイドは答える。
「なんで、って仲間なんだから、当たり前だろ?」
さも当然と言わんばかりのその言葉。さっきのリフィルとはあまりに対照的なそれに、思わず笑いが零れてしまった。
「な、なんだよっ」
「いーや、何でもねぇよ」
そうだ。こいつは甘ちゃんじゃねぇか。こんな俺も仲間だと思って、こうして体張って守ったりして。
馬鹿じゃねぇの。でも、悪くねぇな。
このお仲間ごっこも、もう少しだけ続けてやろうじゃないか。
選択制お題より。430番。
配布元:Abandon
ということでロイゼロ馴れ初めの様なもの(笑
制約初挑戦は1日より前にと、どうにか2週間弱で書けました。これが続けばいいんだけど。そしてこの制約使用のお題は番号も一応載せることにしました。
次のお題番号は下二桁「69」で行きます。
間髪入れずに走り出す背中を追い掛けて、あいつが敵に切り込んだ瞬間に足を止めて詠唱を始める。攻撃のリズムを見極めて一連の動作が終わる瞬間に、待機していた魔術を一気に敵に放った。
反撃しようと身を構えた魔物は不意の攻撃に為す術も無く切り裂かれる。一瞬の断末魔の叫びの後、辺りは静寂に包まれた。
それを打ち消すような溜め息が一つ。安堵を含んだそれは、一瞬にして緊迫していた空間を柔らかなものにする。それぞれが構えていた武器を下げ始めて、倣う様に俺も握っていた短剣を鞘へと戻した。
「さっきはサンキューな、ゼロス!」
「なーに、俺様に掛かればあれぐらい簡単だっての」
鞘と柄がカチンと音を立てるのとほぼ同時に、振り向いたロイドの口から嬉しそうな大きな声が響く。不自然にならない程度に笑みを浮かべながら、堂々としたその礼を軽く流した。
別に何て事は無い、これは只のお仲間ごっこだ。
元々が甘ちゃんの集まりなんだろう。気を許した素振りを見せれば警戒なんてすぐに解いてしまう。こいつらにはこのお仲間ごっこだけで充分なんだ。余計な気苦労など、必要無い。後は適当に情報を貰ってあちらさんに流すだけ。
たったそれだけ。何て事は無い。
「ゼロスッ……!!」
それはほんの少しの不注意から来る大きな失態だった。
詠唱直後の硬直から抜け出す直前の隙に、構えていた短剣を魔物の腕に弾き飛ばされたのだ。
途端に無防備になる右腕。とっさに盾で庇うもこれでは攻撃が出来やしない。魔術を放とうにもTPは先程の魔術で底を着いてしまった。最後の一匹だからと甘く見ていたのが仇となった。
仕方無く距離を取って、飛ばされた短剣の姿を探す。ロイドに襲いかかる奴の足元に転がっているのが見えた。後退するロイドを追い掛けて奴がそこから離れた隙に、その短剣へと手を伸ばす。瞬間。
大きな叫び声と共に、背後から魔物が襲いかかってきた。
やばい、と思ったその時、更なる大きな叫び声を上げて魔物が崩れ落ちる。その先には剣を振り下ろしたロイドがいた。
「ったく、大丈夫か、ゼロス」
「……お、おう」
そう答えてから拾い上げた短剣の泥を払って、鞘へとしまう。安心した様なロイドの溜め息が聞こえたかと思えば、どさり、と音がして。
背中を真っ赤に染めたロイドが、そこに倒れていた。
「とりあえず、容態は落ち着いたわ。それにしても二人して居なくなったかと思えば、一体何をしていたのかしら?」
呆れと安堵が入り混じった溜め息を吐きながら、リフィルはそう呟いた。それを苦々しく聞いていれば、横になっていたロイドの口が開く。
「……ごめん、先生。俺がゼロスを手合わせに誘ったんだよ」
「あなたは安静にしていてよ、ロイド。……そうなの、ゼロス?」
「……まあ、な」
問い詰める視線に堪え切れずに、瞳を逸らしてそう答えた。その様子を見るや否や、リフィルは立ち上がって真っ直ぐに見つめてきた。
「……そう、それはロイドが悪い事をしたわね。彼の担任として謝らせてもらうわ、ごめんなさい」
「………、」
「なんであの時助けたんだ?あんな傷負っておいてよ」
リフィルが部屋を出て行けば、二人だけが残ったそこには静寂が訪れて、それを打ち消す様にそう問い掛けた。すると、きょとんとした顔をこっちに向けながら、ロイドは答える。
「なんで、って仲間なんだから、当たり前だろ?」
さも当然と言わんばかりのその言葉。さっきのリフィルとはあまりに対照的なそれに、思わず笑いが零れてしまった。
「な、なんだよっ」
「いーや、何でもねぇよ」
そうだ。こいつは甘ちゃんじゃねぇか。こんな俺も仲間だと思って、こうして体張って守ったりして。
馬鹿じゃねぇの。でも、悪くねぇな。
このお仲間ごっこも、もう少しだけ続けてやろうじゃないか。
選択制お題より。430番。
配布元:Abandon
ということでロイゼロ馴れ初めの様なもの(笑
制約初挑戦は1日より前にと、どうにか2週間弱で書けました。これが続けばいいんだけど。そしてこの制約使用のお題は番号も一応載せることにしました。
次のお題番号は下二桁「69」で行きます。
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