2008'08.24.Sun
「歯、食いしばりなさいよ」
背後から聞こえてきた物騒なその台詞に勢い良く振り返れば目の前には、火の玉。
「うおっ…ちょ、リタっち危ないでしょうよ、おっさん燃えちまう」
「当たり前よ、狙ったんだから」
命からがら火の玉を避けてその出所を見れば、如何にも不機嫌な天才魔導士殿がいた。
「なによーおっさんリタっちに悪いこと何もしてないわよ」
「死にたがりのあんたに、喝を入れてあげる」
焦りの顔が冷えていくのが分かる。よくよく見れば彼女の目は感情を堪えていた。
「何言ってるの、俺様の命は凛々の明星のものでしょ」
「ふざけるのも大概にしなさいよ」
珍しく震えを含んだ彼女の台詞に、目を見張る。俺としたことがやり過ぎたか。しかしこれは大人としての、エゴ。
「あんなにあの技、連発して……いつ倒れたっておかしく無い」
「心配してくれるのかい、でも俺様だって自分の身体ぐらい解ってるって。俺様がそんなに柔じゃないの、リタっちだって知ってるでしょ」
ぽんぽんと俯いた頭を叩けば彼女は勢い良く見上げて来て、いつもの様に強い瞳で睨み付けてくる。
「な、違うわよっ、あんたは回復役なんだから、使えなくなったら不便なだけよっ、勘違いすんな」
「うっわー…相変わらずキッツイねぇ。でもそれなら燃やされたら同じになるわよ」
「う……」
言い返せずに言い淀まっている彼女に自然と笑みが浮かぶ。可愛いよな、と年甲斐も無くそう思ってしまった。
いやいやそりゃあなた犯罪でしょうよ。
「まぁそれがリタっちの愛情表現だもんな」
ふと浮かんでしまった感情を誤魔化すようにいつもの調子でそう返せば。
「煩いっ」
結局、熱い愛情表現が返ってくるのだった。
(マジ燃える、おっさん燃えちゃうって)
(あんたなんか勝手に燃えてなさいよ)
リタはファイヤーボールが本当好きだよね(笑
二番煎じ所か何番目か分からないそんな話。リタのツンデレは本当に可愛いと思うんだ。
つかおっさんの思考が私の書くゼロス君の思考にそっくり(苦笑
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