2008'02.18.Mon
目覚めたのは無機質なベッドの上。冷たい温度を背中に感じて覚醒した。辺りを見渡せばそこは先程の部屋と変わりなくて、しかし、先程とは違い見知らぬ少年が横に立っていた。
「漸く目が覚めた?全く、僕は待たされるのが嫌いなんだけど」
「…あ、てんしさま、は?」
その姿とは裏腹に、背筋が凍るかと思うぐらいの威圧に満ちた台詞を吐いた少年に、戸惑いと恐怖が隠せなかった。とっさに出した声は、震えていた。それが起き抜けのせいか別の原因かなんて考えたくもない。
「何それ、クラトスの事?生意気だなって思ってたけど、可愛い所もあるんじゃない」
「………お前は、一体、」
高らかと嘲笑われるが、逆に思考は急速に落ち着いて来て、先程までとは違いしっかりとした口調で問いかけた。しかしその問いも途中で、
「やっぱり生意気だよ」
「がっ、く……」
思い切り首を締められた。
余りの事に俺の思考は停止し掛けるけれど、そうしたらここで終わると、ぎりぎり繋ぎ止めた。
「まだ死にたくないなら、足掻いてみなよ」
力の限り睨み付けた俺を見て、奴は笑いながら腕の力を抜いた。無様に崩れ落ちる俺の耳元で、奴は小さく呟く。
「僕が憎い?なら殺してみればいい」
聞こえてきた物騒な言葉に耳を疑うが、奴は薄く笑ったままだ。
「じゃないと殺しちゃうかもね。此処には護ってくれる騎士もいないものね、ゼロス」
何故奴が俺の名前を知っているのかとか、考える余裕も無かった。ただ、このままでは殺されると、それだけを思った。
奴が再び俺の首へ腕を伸ばしてくる。俺の体は麻痺してしまったかのようにびくともしなかった。もう駄目か、と目を瞑って身構えて居れば、不意に。
前回の拍手まで。
取り敢えず言えることは、ミトス様を書いててとても楽しかったと言うことです。ごめんね、ゼロス(笑
続きは拍手にあります。
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2008'02.13.Wed
今月のマガで流したバレンタイン文です。
甘さは極力控え目にしたつもり。
久しぶりの陛下と大佐。
かちゃり、と開いた扉の先、つい数時間前と変わらない風景に、微かに寂しげな表情を浮かべながら仕事用の机に向かった。
山の様に積まれた、しかし綺麗に纏められた書類を手にしてぴらりと捲れば、遠回しな表現と共に最後に軍事費の増額の承認を求める表現があった。
「拒否権など無いだろうに」
勿論形式的なものであるが、自分の許可を求めるその文に少なからず辟易する。世間は浮かれているだろう今日に、自分はこんな風に部屋に籠もらなければいけないのだ。解っているし覚悟もしていた。しかし、相も変わらず書類以外何もない机を見るとどうしても愚痴を言わずにはいられなかった。
「少しぐらいは良いじゃねえか」
先程見てきた幼なじみの机の上に積まれた山の様なチョコレートを思い出して、一人呟いた。
相も変わらず自分の机には書類以外何もない。
「何度いらしても無理な物は無理です」
痺れを切らして再び幼なじみの部屋に向かえば、予想していた通り自分の要求は拒絶される。
「別に食べたいと言っている訳じゃないぞ。民がわざわざ用意してくれた物を俺が受け取らなくてどうする」
「ですから、爆発物でも入っていたらどうするんですか」
粘りに粘ってみても返答は変わらない。寧ろ呆れたような視線が加えられている。
「貴方も自身の地位をいい加減理解して下さい」
「解っている」
溜め息混じりに返された言葉に即答すれば、不可解だと言わんばかりの顔をされた。いい加減この顔も見飽きたんだかな。
「だからこそ、民を信用しなくてどうするんだ」
真っ直ぐに見つめたままそう言えば、赤い眼が一瞬固まった。それは本当に一瞬だけだ。しかし直ぐ様再び呆れた様に苦笑した。それが本当の呆れではないと気付いていたが。
「……事前の開封には多大な手間が掛かるんですよ」
「それは皇帝権限で何とかしろ」
「………全く、」
更に数時間後。再び己の部屋の扉を開ければ、机の上には山の様な。
甘さは極力控え目にしたつもり。
久しぶりの陛下と大佐。
かちゃり、と開いた扉の先、つい数時間前と変わらない風景に、微かに寂しげな表情を浮かべながら仕事用の机に向かった。
山の様に積まれた、しかし綺麗に纏められた書類を手にしてぴらりと捲れば、遠回しな表現と共に最後に軍事費の増額の承認を求める表現があった。
「拒否権など無いだろうに」
勿論形式的なものであるが、自分の許可を求めるその文に少なからず辟易する。世間は浮かれているだろう今日に、自分はこんな風に部屋に籠もらなければいけないのだ。解っているし覚悟もしていた。しかし、相も変わらず書類以外何もない机を見るとどうしても愚痴を言わずにはいられなかった。
「少しぐらいは良いじゃねえか」
先程見てきた幼なじみの机の上に積まれた山の様なチョコレートを思い出して、一人呟いた。
相も変わらず自分の机には書類以外何もない。
「何度いらしても無理な物は無理です」
痺れを切らして再び幼なじみの部屋に向かえば、予想していた通り自分の要求は拒絶される。
「別に食べたいと言っている訳じゃないぞ。民がわざわざ用意してくれた物を俺が受け取らなくてどうする」
「ですから、爆発物でも入っていたらどうするんですか」
粘りに粘ってみても返答は変わらない。寧ろ呆れたような視線が加えられている。
「貴方も自身の地位をいい加減理解して下さい」
「解っている」
溜め息混じりに返された言葉に即答すれば、不可解だと言わんばかりの顔をされた。いい加減この顔も見飽きたんだかな。
「だからこそ、民を信用しなくてどうするんだ」
真っ直ぐに見つめたままそう言えば、赤い眼が一瞬固まった。それは本当に一瞬だけだ。しかし直ぐ様再び呆れた様に苦笑した。それが本当の呆れではないと気付いていたが。
「……事前の開封には多大な手間が掛かるんですよ」
「それは皇帝権限で何とかしろ」
「………全く、」
更に数時間後。再び己の部屋の扉を開ければ、机の上には山の様な。
2008'02.04.Mon
なんか久しぶりですか?(笑
現在連載(というか小出し(苦笑)しているミトゼロの過去2回分です。
あとでちゃんとパソで更新しますが取り敢えず。
てか、これ全部上げると無茶苦茶長くなりそうだ(笑
スクロールでどうぞ。
彼らに従事すると決めてから俺の生活は変わった。それまでは屋敷中心だったのに、今はデリスカーラーンとテセアラを行ったり来たりだ。とはいっても実質的にはメルトキオ内で屋敷と教会の行き来に過ぎなかったけれど。
神子の座を譲ると言っても簡単には行かなかった。一度決まってしまったものを変えるのは難しいのだという。でも赤の他人に譲るのとは違って妹であるセレスに譲るんだからそこまで難しいのかと聞いてみたら誤魔化されてしまった。
そこで疑問が湧き上がってしまったけれど、マナが違うのだから今は仕方がないと、今後お前にはそれを賄うべく訓練を受けてもらうのだと言われれば、従わない訳にはいかなかった。これは全てセレスの為。神子を棄てる為。何だってやってやると決めたんだから。
「魔導、注入……?」
「そうだ、そしてお前にはマナを扱う力を身に付けてもらう」
「……なんでそんなこと」
意気込んで臨んだ部屋にはなにやら物々しい装置が沢山あって、何がなんだか分からずにいればそう言われた。何故そんなことを俺がしないといけないのか、その時は全く分からなかった。後々、その訳を彼から聞くことになったのだけれど。
「神子の座を、譲りたいのだろう」
有無を言わさぬその響きに息を飲んで、仕方無く渡された粉末を口に含んだ。
「……にが、っ」
突如歪んだ視界、崩れる体。毒だったのかと思ったのも束の間、為す術もなく重力に従い倒れていく中で、俺の意識は途絶えた。
現在連載(というか小出し(苦笑)しているミトゼロの過去2回分です。
あとでちゃんとパソで更新しますが取り敢えず。
てか、これ全部上げると無茶苦茶長くなりそうだ(笑
スクロールでどうぞ。
彼らに従事すると決めてから俺の生活は変わった。それまでは屋敷中心だったのに、今はデリスカーラーンとテセアラを行ったり来たりだ。とはいっても実質的にはメルトキオ内で屋敷と教会の行き来に過ぎなかったけれど。
神子の座を譲ると言っても簡単には行かなかった。一度決まってしまったものを変えるのは難しいのだという。でも赤の他人に譲るのとは違って妹であるセレスに譲るんだからそこまで難しいのかと聞いてみたら誤魔化されてしまった。
そこで疑問が湧き上がってしまったけれど、マナが違うのだから今は仕方がないと、今後お前にはそれを賄うべく訓練を受けてもらうのだと言われれば、従わない訳にはいかなかった。これは全てセレスの為。神子を棄てる為。何だってやってやると決めたんだから。
「魔導、注入……?」
「そうだ、そしてお前にはマナを扱う力を身に付けてもらう」
「……なんでそんなこと」
意気込んで臨んだ部屋にはなにやら物々しい装置が沢山あって、何がなんだか分からずにいればそう言われた。何故そんなことを俺がしないといけないのか、その時は全く分からなかった。後々、その訳を彼から聞くことになったのだけれど。
「神子の座を、譲りたいのだろう」
有無を言わさぬその響きに息を飲んで、仕方無く渡された粉末を口に含んだ。
「……にが、っ」
突如歪んだ視界、崩れる体。毒だったのかと思ったのも束の間、為す術もなく重力に従い倒れていく中で、俺の意識は途絶えた。
2007'11.14.Wed
どうもこの携帯は小説を上げるのには向いてないようで、いろいろと苦労しています(苦笑
全文がコピれないと続きで更新するのは大変なんです…しかも書き込み欄1000文字の制限あるしさ(汗
前の方がよかった……と思わないこともないです。
まぁ慣れるしかないよなぁ。
ただ、お題文を日記更新していくのはちょっと辛いかも(苦笑
今回は前に書いたロイゼロ文の途中まで。キリが悪くちょっと最後を省いたら偶然1000文字以内になってました。
多分省かなかったら入んなかったんだろうな(苦笑
続きからどうぞ
全文がコピれないと続きで更新するのは大変なんです…しかも書き込み欄1000文字の制限あるしさ(汗
前の方がよかった……と思わないこともないです。
まぁ慣れるしかないよなぁ。
ただ、お題文を日記更新していくのはちょっと辛いかも(苦笑
今回は前に書いたロイゼロ文の途中まで。キリが悪くちょっと最後を省いたら偶然1000文字以内になってました。
多分省かなかったら入んなかったんだろうな(苦笑
続きからどうぞ
2007'10.16.Tue
近頃小説様に新しい日記借りようかとか考えてます。だって今これ日記なんだか小説置場なんだかわからないですもんね。
まあもともとそう思って設置したんではあるんですけどね。小説の前に日記書くのがメンドイというか…楽したいだけ(苦笑
今回のは長命ゼロスの続きのような話。短いです。
続きからどうぞ
まあもともとそう思って設置したんではあるんですけどね。小説の前に日記書くのがメンドイというか…楽したいだけ(苦笑
今回のは長命ゼロスの続きのような話。短いです。
続きからどうぞ
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